セッション情報 | ポスター胃・十二指腸 治療 |
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タイトル | P-461:術前診断可能であった特発性十二指腸憩室穿孔の2手術例 |
演者 | 嘉山 貴文(磐田市立総合病院外科) |
共同演者 | 落合 秀人(磐田市立総合病院外科), 村上 智洋(磐田市立総合病院外科), 鳥居 翔(磐田市立総合病院外科), 福本 和彦(磐田市立総合病院外科), 神藤 修(磐田市立総合病院外科), 宇野 彰晋(磐田市立総合病院外科), 深澤 貴子(磐田市立総合病院外科), 稲葉 圭介(磐田市立総合病院外科), 松本 圭五(磐田市立総合病院外科), 鈴木 昌八(磐田市立総合病院外科) |
抄録 | 十二指腸憩室穿孔は比較的まれな疾患である.術前の確定診断が困難であり,治療法も確立されたstrategyはなく,報告例で様々である.今回我々は特発性十二指腸憩室穿孔に対して来院早期に診断→手術を施行した2例を経験したので報告する.[症例1]42歳の男性.夕食後に背部から右側腹部にかけて痛みが出現し,当院へ救急搬送された.腹部CTにて十二指腸下行脚に憩室を疑う病変を認め,その周囲に脂肪織濃度の上昇と後腹膜気腫像がみられた.十二指腸憩室穿孔の診断で緊急開腹すると,十二指腸周囲の後腹膜に炎症を認めた.十二指腸下降脚を後腹膜から授動すると,膵頭部に埋まる形で約2cm大の憩室を認めた.憩室を剥離してから術中胆道造影で確認すると,十二指腸乳頭の約3cm肛門側に入口部を認めた.憩室先端の約3mmの穿孔部を縫合閉鎖した後,憩室を内翻させて十二指腸内に還納し,十二指腸の漿膜筋層を縫合した.経過良好にて術後16日目に退院した.[症例2]88歳の女性.胃潰瘍にて手術(詳細不明)の既往あり.来院前日夕方から腹部全体に痛みを自覚し,救急車にて搬送された.腹部CTにて十二指腸水平脚の憩室及び,周囲の後腹膜内にガス像を認め,十二指腸憩室穿孔と診断した.上腹部手術歴と年齢,症状等を考慮して,1日経過観察としたが症状変わらず,緊急手術を施行した.開腹所見では,十二指腸水平脚に約2cm大の憩室を認め,術中造影所見も含めて穿孔部を確認した.症例1と同様,穿孔部の縫合閉鎖の後に,内翻縫縮術を施行した.経過はおおむね良好であったが,不穏や認知症のため退院は術後36日目となった.特発性十二指腸憩室穿孔は,少数の保存療法報告例がみられるものの,やはり外科的治療が中心となる.文献的考察を加えて診断や治療方針に関して報告する. |
索引用語 |