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肝炎 他

タイトル P-474:

当科における急性肝炎の原因とその特徴について

演者 野崎 泰俊(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科)
共同演者 葛下 典由(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 阿部 友太朗(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 井上 貴功(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 大西 幸作(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 岩谷 修子(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 田畑 優貴(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 井上 浩一(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 澁川 成弘(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 石井 修二(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 西山 範(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 春名 能通(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 井上 敦雄(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科)
抄録 【目的】当科で経験した急性肝炎の原因,臨床的特徴について検討する.【対象】2007年1月から2011年12月までに当科で入院加療となった急性肝炎患者59例(男:女=22:37,15-89歳).【結果】(1)59例の原因別内訳は,HAV 1例(1.7%),HBV 18例(31%),HCV 6例(10%),EBV 2例(3.4%),CMV 2例(3.4%),AIH 4例(6.8%),ウイルソン病1例(1.7%),アルコール3例(5%),薬剤性10例(17%),原因不明12例(20%)であった.(2)入院時ALT,T-Bil,PT活性の平均値は,HAV(772 IU/ml,3.4mg/dl,63%),HBV(2600,6.0,73),HCV(1680,3.4,89),EBV(549,1.6,91),CMV(415,0.5,90),AIH(1460,9.2,57),ウイルソン病(74,20,35),アルコール(232,2.6,75),薬剤性(674,3.2,99),原因不明(836,2.4,92)であった.(3)HBV18例中17例でGenotypeを検討し,C 8例(47%),A 7例(41%),B 1例(6%),E 1例(6%)であった.感染源として性行為(STD)が疑われたのは9例で,Genotype Aは7例中7例でSTDであった.Genotype Cの1例で劇症化を認め,生体肝移植を要した.(4)HCV 6例中,急性肝不全を呈した1例ではステロイドパルスを行い,残り5例で安静加療により急性肝炎は軽快したが,全例ウイルス排除は得られなかった.高齢の1例を除き,5例で慢性化後にIFN治療を施行し,全例でウイルス排除を得た.【結論】当院における急性肝炎では,HBVによるものが最も多かったが,様々な原因から急性肝炎を生じていることも明らかとなった.急性肝炎の原因究明をすることにより,病状,病態に応じた治療を行い,良好な治療成績を期待できると考えられる.
索引用語