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肝炎 他

タイトル P-475:

当院で経験した過去12年間の急性B型肝炎症例の検討

演者 小川 智(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科)
共同演者 鄭 浩柄(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 北本 博規(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 高島 健司(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 増尾 謙志(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 松本 知訓(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 佐竹 悠良(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 福島 政司(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 和田 将弥(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 占野 尚人(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 井上 聡子(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 藤田 幹夫(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 杉之下 与志樹(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 岡田 明彦(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 猪熊 哲朗(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科)
抄録 【目的】当院で経験した急性B型肝炎の臨床像からその特徴や問題点について検討した.
【方法】対象は2001年1月から2012年8月までに当院で加療を行った59例の急性B型肝炎症例.これらの感染経路,治療方法,Genotype,臨床経過について検討を行った.
【結果】男性42例,女性17例,年齢中央値は35歳であった.問診上感染経路が判明したのは32例で,性交渉30例(うち同性間4例),カミソリの共有1例,針治療1例であった.59例中劇症化が4例(うち1例が亜急性型),急性肝炎重症型が4例であった.劇症化症例のうち1例は内科的治療で軽快し,2例は死亡した.また残る1例(亜急性型)は肝移植を行った.核酸アナログ製剤を投与したのはETV 8例,LMV 12例であった.経過を追えた51例のうち慢性化した症例はなく,HBsセロコンバージョンは59例中26例で確認出来た.HBsAg陰性化から1年以上経過してもHBsAb陽転化しない症例は4例であった.これら4例において患者背景や治療内容に一定の傾向は認めなかった.また,Genotypeは26例で検索しており,A/B/Cが各々7/5/14例であった.Genotype A症例は7例全て男性であり,2例が同性愛者,2例が国内性風俗による感染であった(3例は感染源不明).7例のうち,4例に対して核酸アナログを投与し,残りの3例は無治療で経過観察したが,慢性化はしなかった.また,Genotype Bも5例全てが男性で,感染源は3例が海外(アジア)の性風俗と考えられ,残りの2例はパートナーが外国人(台湾人・ベトナム人)であり,Genotype Bの罹患率が高い国の関連が示唆された.
【結論】急性B型肝炎におけるGenotype Aの増加が報告されているが,当施設における最近5年間のGenotype Aの頻度は33%であった.Genotype AとBは全て男性であり,感染経路にも特徴を示した.また,臨床的治癒後に長期間HBsAb陽転化を認めない症例が存在した.
索引用語