セッション情報 | ポスター胃・十二指腸 高齢者 |
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タイトル | P-478:高齢者消化管日和見感染症の検討 |
演者 | 曽我部 裕子(大津赤十字病院消化器科) |
共同演者 | 内海 貴裕(大津赤十字病院消化器科), 松本 淳(大津赤十字病院消化器科), 森 義治(大津赤十字病院消化器科), 財間 千景(大津赤十字病院消化器科), 西田 吉宏(大津赤十字病院消化器科), 稗田 信弘(大津赤十字病院消化器科), 垣内 伸之(大津赤十字病院消化器科), 松永 康寛(大津赤十字病院消化器科), 水口 綾(大津赤十字病院消化器科), 安村 聡樹(大津赤十字病院消化器科), 友野 輝子(大津赤十字病院消化器科), 日高 健太郎(大津赤十字病院消化器科), 本庶 元(大津赤十字病院消化器科), 長谷川 和範(大津赤十字病院消化器科), 近藤 雅彦(大津赤十字病院消化器科), 西川 浩史(大津赤十字病院消化器科), 三宅 直樹(大津赤十字病院消化器科), 河南 智晴(大津赤十字病院消化器科) |
抄録 | 【目的・方法】消化管日和見感染症は血液疾患などの重篤な基礎疾患に合併しやすいが,高齢も危険因子のひとつとされる.2006年~2012年に当院でみられた消化管日和見感染症8例(潰瘍性大腸炎患者のCMV腸炎9例を除く)について,70歳以上の高齢者群,70歳未満の非高齢者群にわけ,その背景疾患,病態,治療,予後などについて検討した.【結果】高齢者群は5例(74~89歳,中央値80歳),非高齢者群は3例(24~61歳,中央値52歳)みられた.高齢者群では血液疾患(AIDS含む,以下同様)1例,固形癌1例,ステロイド治療例3例,腎炎1例,低栄養4例(重複含む,以下同様)がみられた.非高齢者群は全例血液疾患であった.高齢者群ではCMV腸炎3例,CMV食道炎2例,HSV食道炎2例,うち1例は食道のカンジダ,HSV,CMV混合感染とCMV腸炎の重複例であった.非高齢者群はCMV食道炎1例,CMV胃腸炎2例であった.治療は高齢者群では抗ウイルス治療3例,補助療法のみが2例であり,いずれも軽快した.非高齢者群は全例抗ウイルス治療を行い,いずれも軽快した.高齢者群では5例中3例,非高齢者群は3例中1例が原病死した.【考察】非高齢者群では全例血液疾患を有していたが,高齢者群では様々な要因がみられた.非高齢者群ではCMV感染症に限定されたのに対し,高齢者群ではHSV,CMV,カンジダと多彩な病原体が原因となり,罹患部位も複数に及び,重複感染例もみられるなど多彩な病態を呈した.治療は抗ウイルス療法が奏功したが,高齢者では補助療法のみで改善した例もみられた.適切に治療がなされれば予後は良好であり,生命予後については原疾患のコントロールが重要であった.【結論】高齢者では様々な要因で消化管日和見感染症をきたし,病態も多彩である.適切な治療がなされれば予後は良好であり,積極的な検査・治療が重要であると考えられた. |
索引用語 |