セッション情報 ポスター

胃・十二指腸 その他

タイトル P-485:

介護施設における経皮内視鏡的胃瘻造設術施行患者の現況

演者 泉川 孝一(香川県立中央病院消化器内科)
共同演者 稲葉 知己(香川県立中央病院消化器内科), 水川 翔(香川県立中央病院消化器内科), 高嶋 志保(香川県立中央病院消化器内科), 石川 茂直(香川県立中央病院消化器内科), 田岡 伸朗(香川県立中央病院総合診療科), 三好 正嗣(香川県立中央病院消化器内科), 和唐 正樹(香川県立中央病院消化器内科), 河合 公三(香川県立中央病院消化器内科), 中津 守人(三豊総合病院地域医療部)
抄録 【背景と目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は,嚥下障害のある患者において大きな役割を果たしているが,その増加により介護施設でのPEGをとりまく環境も変化しつつある.今回,我々は,香川県内の老人保健施設(以下老健)52施設,特別養護老人ホーム(以下特養)79施設に対し,PEG患者の受け入れ状況や問題点等に関する自記式アンケート調査(以下24年)を行い,7年前(H.17年)に行った同様のアンケート結果(以下17年)(老健39施設,特養50施設を対象)と比較して検討を行った.【結果】回答は,老健33施設,特養39施設(回収率55%)より得られ,PEG患者の受け入れに関して「受け入れ可能」が24年では老健93.9%,特養92.3%であり,施設間また17年との比較で差はなかった.PEG患者の入所者に占める割合は,老健では24年で10.0%,17年で3.9%(p=0.004),特養では24年で11.5%,17年で6.0%(p<0.001)と有意に増加していた.PEGに至った原疾患として脳血管疾患が最も多かったが,老健,特養ともに24年,17年間で認知症にてPEGとなった患者が有意に増加していた(それぞれp=0.01,p=0.013).24年では,経管栄養となっている患者の受け入れに関して,「PEGのみ」もしくは「PEGが望ましい」とした施設が老健63.3%,特養75.8%であった.入所に際して経鼻チューブからPEGへの変更を依頼している施設は,老健48.3%,特養45.7%であった.その一方で,老健と特養両施設を含め,「PEGに関して安易に造る傾向がある.」と感じるか否かとの設問に対して,「そう思う」と回答した施設が31.8%,「患者の状態にてPEGの造設に疑問を感じたことがある.」に対して「ある」と回答した施設が54.1%であった.【結論】高齢者の摂食障害に対するPEGも含めた人工的な水分・栄養補給法に関して議論があるが,現状の把握に基づいた建設的な議論が必要である.
索引用語