セッション情報 ポスター

胃・十二指腸 その他

タイトル P-486:

胃瘻カテーテル抜去症例の検討

演者 木田 裕子(さぬき市民病院内科)
共同演者 杵川 文彦(さぬき市民病院内科), 中尾 克之(さぬき市民病院内科), 井上 利彦(さぬき市民病院内科), 伊藤 智美(総合病院回生病院消化器センター), 舟木 利治(総合病院回生病院消化器センター), 鎌野 周平(総合病院回生病院消化器センター), 松岡 裕士(屋島総合病院内科), 正木 勉(香川大学医学部附属病院消化器・神経内科)
抄録 【目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は,嚥下障害などの問題を有する患者に対する栄養管理の手段として普及してきた.嚥下機能障害や認知症などを有する高齢者に対して施行されることが多いため造設後に不要になることは少ないが,経口摂取が可能となり胃瘻抜去可能となる例も経験する.今回我々は,自施設にてPEG施行後に経口摂取可能となったために胃瘻カテーテルを抜去した症例について,その臨床的特徴について検討した.
【方法】2004年4月から2012年4月までに胃瘻カテーテルを抜去した症例16例(男性11例,女性5例)について後ろ向きに検討した.
【成績】胃瘻造設時の平均年齢は66.3±17.3歳であった.造設に至った理由は,脳梗塞(37.5%),脳出血(25%),脳挫傷(12.5%),認知症(18.8%),精神疾患(6%)であった.抜去までの期間は11.6±7.6か月であったが,実際に胃瘻が使用されなくなってから抜去するまでの観察期間は不明な症例が多かった.血清アルブミン値はPEG前は3.27±0.52mg/dl,抜去時は3.69±0.67mg/dlであった.全例,胃瘻抜去後の閉鎖不全などのトラブルはなく,経過を追えた範囲では再造設となった症例はみられなかった.
【考察】当院におけるPEG施行例の平均年齢と比較して,抜去例は有意に若年齢であった.また,造設となった理由は脳血管障害が75%と大多数を占め,誤嚥性肺炎による造設例は認めなかった.胃瘻を使用しなくなってから抜去までの期間は主治医ごとに独自に判断されており,一定の基準は設けられていなかった.今回の検討では再造設となった症例はなかったが,抜去後の約半数で再造設となったという報告もみられ,抜去の妥当性や経過観察期間について検討する必要があると考えられた.【結語】経口摂取再開により胃瘻カテーテルを抜去した症例について検討したので,若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語