セッション情報 ポスター

胆道4

タイトル P-489:

非切除肝門部悪性胆道狭窄に対するBilerush stentの成績

演者 川久保 和道(北海道大学医学部・消化器内科)
共同演者 河上 洋(北海道大学医学部・消化器内科), 桑谷 将城(北海道大学医学部・消化器内科), 羽場 真(北海道大学医学部・消化器内科), 工藤 大樹(北海道大学医学部・消化器内科), 阿部 容子(北海道大学医学部・消化器内科), 坂本 直哉(北海道大学医学部・消化器内科)
抄録 【目的】非切除肝門部悪性胆道狭窄に対するドレナージ方法は,内視鏡的か経皮経肝的,プラスチックか金属ステントか,両葉か片葉か,など解決すべき問題が多い.今回我々は,肝門部用ステントであるBilerush stentの留置成績を明らかにする.【方法】Bilerush stentは外筒が7Fr.のレーザーカットタイプの金属ステントで,Axial forceとRadial forceのバランスが良く,ステントセルが大きいのが特徴である.2011年1月から12月まで,非切除肝門部悪性胆道狭窄に対して内視鏡的にBilerushを留置した患者を対象とした.両葉留置を基本としたが,高度片葉萎縮または肝葉切除後では片葉留置とした.主要評価項目はステント閉塞率,開存期間,副次評価項目は両葉留置成功率,偶発症率,Re-interventionおよび生存期間とした.【結果】20例(年齢中央値73歳,男12,女8)に留置した(Bismuth分類I/II/III/IV:4/4/9/3).原疾患は肝門部胆管癌8,胆嚢癌11,リンパ節転移1.ステント閉塞を10例(Ingrowth 8,Sludge 2)に認め,ステント開存期間中央値154日(95%信頼区間69-285).両葉留置は94%(15/16)で成功.偶発症は7例に認めた(非ドレナージ領域胆管炎4,胆嚢炎1,肝膿瘍1,ERCP後膵炎1).非ドレナージ領域胆管炎4例中3例でPTBDを要した.Re-interventionは,経乳頭的プラスチックステント留置7例,ステント内クリーニング1例,経皮経肝的胆道ドレナージ2例であった.ステント留置後生存期間中央値は329日であった.【結語】非切除肝門部悪性胆道狭窄に対するBilerush stentは開存期間も良好であり,内視鏡的なReinterventionも容易であり,選択肢の1つと考えられた.一方,非ドレナージ領域胆管炎の併発が解決すべき問題であった.
索引用語