セッション情報 | ポスター胆道4 |
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タイトル | P-490:切除不能膵癌の集学的治療における胆管内メタリックステント留置術の意義 |
演者 | 沢井 正佳(奈良県立医科大学中央内視鏡・超音波部) |
共同演者 | 美登路 昭(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 山尾 純一(奈良県立医科大学中央内視鏡・超音波部), 吉田 太之(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 森岡 千恵(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 堂原 彰敏(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 守屋 圭(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 北川 洸(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 古川 政統(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 武山 真也(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 小堤 隆広(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 豊原 眞久(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 吉冶 仁志(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 福井 博(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科) |
抄録 | 【目的】進行膵癌は胆道狭窄のために高率に閉塞性黄疸をきたす予後不良な疾患であるが,適切な胆道ドレナージは化学療法,放射線療法などの前提となり,予後やQOLの改善に寄与することが期待される.今回,我々は切除不能膵癌による悪性胆道狭窄症例に対するメタリックステント(MS)留置術の安全性と有効性,集学的治療との関連について検討した.【対象と方法】2006年1月~2012年5月に進行膵癌による悪性胆道狭窄に対して経乳頭的にMSを留置した40例のうち,全経過を追跡できたのは37例(追跡率93%)で,化学放射線療法後に手術可能となった5例を除く切除不能膵癌32例(平均年齢69.8歳,男14例,女18例)を解析対象とした.集学的治療を行えたのは26例(化学療法(CT)群21例,化学放射線療法(CRT)群5例),Best Supportive Care(BSC)に終わったのは6例で,減黄成功率,偶発症発生率に加えて,治療群別にステント開存期間,生存期間を比較検討した.用いたMSは,Uncovered MS(UMS)30例,Covered MS(CMS)2例であった.【結果】減黄成功率は全体で97%と良好であった.全症例のステント開存期間(中央値)は126日(28~739日)で,治療群別ではBSC群81日,CT群128日,CRT群195日と集学的治療群で長い傾向がみられた.生存期間の中央値は276日(49~1358日)で,50%生存期間はBSC群で94日であったのに対し,CT群285日(p<0.0001),CRT群568日(p<0.05)と集学的治療群で有意に延長がみられた.なお,偶発症は4例にみられ,うちわけは胆管炎1例,誤嚥性肺炎1例,ステンティングトラブル(ジャンプイン)2例であった.【結語】切除不能膵癌による悪性胆道狭窄に対し,MSを安全に留置し減黄することができた.MSを留置したうえで,集学的治療を行うことにより,ステント開存期間,生存期間の延長とQOLの改善が得られると考える. |
索引用語 |