セッション情報 ポスター

胆道4

タイトル P-492:

非切除胆膵癌に対する内視鏡的胆管メタリックステント留置術の検討

演者 北村 勝哉(昭和大学消化器内科)
共同演者 佐藤 悦基(昭和大学消化器内科), 岩田 朋之(昭和大学消化器内科), 野本 朋宏(昭和大学消化器内科), 吉田 仁(昭和大学消化器内科)
抄録 【目的】当施設における非切除胆膵癌に対する内視鏡的胆管メタリックステント(MS)留置術の成績を検討する.【方法】当施設では,非切除悪性中下部胆管狭窄例に対して,内視鏡的胆管covered MS(CMS)留置術を第一選択としている.2007年1月から2012年5月まで非切除胆膵癌に対してCMSを留置した43例を対象とし,2010年12月まで使用したNiti-S ComVi(Taewoong Medical社製)25例(N群)とそれ以降に使用したWallFlex(Boston Scientific社製)18例(W群)の治療成績をretrospectiveに検討した.中央値(最小~最大)値表記.【結果】CMS留置43例の年齢は,73(49~95)歳,男性22例,女性21例.疾患は,膵癌34例,胆道癌6例,その他3例.ステント不全率は,44.2%であった.N群とW群の年齢,性別,疾患,胆管径,化学療法施行率に有意差を認めなかった.ステント不全率は,N群と比較してW群で低い傾向を示した(56% vs. 27.8%,p=0.07).N群におけるステント不全の内訳は,逸脱4例(うち脱落3例),胆泥4例,食物残渣3例,迷入1例,kink 1例であり,W群では,逸脱3例,迷入1例,胆泥1例であった.ステント不全までの期間は,両群間で有意差を認めなかった(97日vs. 113日).ステント不全時におけるCMS抜去率は,N群8%,W群16.7%であり,両群間に有意差を認めなかった.また,CMS留置後の合併症として,膵炎(4% vs. 0%),胆嚢炎(4% vs. 5.6%)発症率は,両群間に有意差を認めなかった.【結論】非切除胆膵癌に対するCMS留置術の約半数にステント不全を認めた.WallFlexは,Niti-S ComViと比較して,ステント不全率が低い傾向にあったが,ステント不全までの期間に有意差なく,更に長期間開存するステントの開発が望まれる.
索引用語