セッション情報 ポスター

胆道4

タイトル P-493:

非切除胆膵癌に対する内視鏡的胆道Stentingの進歩

演者 向井 強(岐阜市民病院消化器内科)
共同演者 安田 一朗(岐阜大学第一内科), 中島 賢憲(岐阜市民病院消化器内科)
抄録 非切除胆膵癌による肝外胆道閉塞に対するEndoscopic biliary stenting(EBS)において,特に日本ではCovered metallic stent(CMS)が第一選択となりつつある.さらに最近では,より長期の開存とともにステント不全や合併症を防ぎ,閉塞時治療のしやすさも考慮したCMSの改良が行われている.【目的】非切除胆膵癌に対するCMSの治療成績を初期と後期のモデルに分けて検討する.【方法】2012年6月までにCMSを用いてEBSを行った非切除胆膵癌の治療成績を調査した.【結果】対象は218(膵癌127:胆道癌91)例.年齢77歳(41-95),男:女=122:96,c-Stage-3 53:4a 42:4b 123例.化学療法74例,放射線外照射10例に施行.生存期間中央値222日.使用したCMSはCovered Diamond(CD)99,Covered Wall(CW)27,Niti-S ComVi(NC)19,Covered Wallflex(Partially32,Fully14),Covered ZEO3,Niti-S SUPREMO24例であり,CD,CW,NCを前期CMS(145例),それ以外を後期CMS(73例)とした.CMSの開存期間中央値は前期216日,後期not reached(平均247日)(p<0.0001),Time to recurrent biliary obstruction(TRBO)中央値は前期179日,後期375日(p=0.0006)であり,それぞれ有意に後期CMSで長かった.reinterventionを要したステント不全(前期/後期の順)は61(42%)/20(27%)(p=0.0322).内訳は胆泥または食物残渣による閉塞41(28%)/8(11%)(p=0.0025),tumor overgrowth 8(6%)/1(1%),tumor ingrowth 2(1%)/1(1%),閉塞のない胆管炎0(0%)/1(1%),migration 10(7%)/9(12%)であった.reinterventionの際にCMSの抜去を試みた54/21例のうち,45(83%)/19(90%)例で抜去が可能であったが,不成功となった理由はtumor ingrowth(2/4),tumor overgrowth(3/1),proximal migration(1/1)であった.なお,胆嚢炎6(4%)/3(4%),急性膵炎1(1%)/1(1%)を認めたが,いずれも有意差を認めなかった.【結語】非切除胆膵癌による肝外胆道閉塞では,前期CMSをもとに改良された後期CMSでより長期の開存,TRBOが得られたが,migration対策は不十分であり,更なる治療成績の向上を目指したCMSの開発が期待される.
索引用語