セッション情報 ポスター

interventional EUS

タイトル P-498:

当院における膵壊死と仮性膵嚢胞に対するドレナージ術の報告

演者 吉田 司(倉敷中央病院消化器内科)
共同演者 石田 悦嗣(倉敷中央病院消化器内科), 小原 佳子(倉敷中央病院消化器内科), 久保 敦司(倉敷中央病院消化器内科), 清輔 良江(倉敷中央病院消化器内科), 松枝 和宏(倉敷中央病院消化器内科), 山本 博(倉敷中央病院消化器内科)
抄録 背景:急性膵炎に伴う膵壊死や仮性膵嚢胞はしばしば圧迫による症状や感染を伴い,時に重大な転機をたどるため,適切な時期にドレナージを施行する必要がある.方法:今回当院にて急性膵炎に伴う膵壊死と仮性膵嚢胞に対しドレナージを施行した症例の背景,ドレナージ方法,奏功率,施行回数に関して報告する.結果:2007年1月から2012年5月までに当科にて経乳頭的,経皮的,もしくは経消化管的にドレナージを行なった仮性膵嚢胞4例,膵壊死7例の合計11例を対象とした.年齢の中央値は52歳(35-76歳),男性10例,女性1例であった.仮性膵嚢胞のドレナージ適応は全例嚢胞増大かつ圧迫による有症状,膵壊死の適応は6例が感染合併,1例が圧迫による有症状のためであった.仮性膵嚢胞は4例中3例で経乳頭的処置のみで改善を得た.経皮的,経消化管的処置を行なった症例はなく,改善までに行なった全手技の平均回数は1.3回であった.4例中改善しなかった1例は経乳頭的処置を繰り返している間に嚢胞破裂を起こしたが,保存的に軽快した.膵壊死7例のうち,2例が経乳頭的,2例が経皮的ドレナージのみで改善し,さらに経乳頭,経皮ドレナージを組み合わせることで2例が改善した.改善までに要した全手技の平均回数は2.8回であった.経消化管的ドレナージは2例で試みられたものの,穿刺ルートが取れず断念した.7例中1例は経乳頭的処置で改善せず,経過中に嚢胞内出血を来たし死亡した.考察:仮性膵嚢胞の多くが経乳頭的処置が奏功した一方,膵壊死は複数のドレナージルートで,多数回の施行を必要とする傾向があった.膵仮性嚢胞,膵壊死とも一法でのドレナージが奏功しない場合には,適切な時期に他法を試みることが必要と思われた.
索引用語