セッション情報 | 消化器病学会特別企画1(消化器病学会)GRADEシステムに準じて作成された新ガイドライン最終報告 |
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タイトル | 消企1-10指:慢性膵炎診療ガイドラインの改訂作業状況 |
演者 | 下瀬川 徹(東北大大学院・消化器病態学) |
共同演者 | |
抄録 | 日本消化器病学会の「慢性膵炎診療ガイドライン」は2009年10月に初版が刊行されて以来4年が経過する.最新情報を盛り込むこと,わが国から世界に情報を発信することを目的に改訂作業が開始された.2011年7月に開催された第1回統括委員会で改訂作業の開始が確認され,同年11月およびその後に開催された改訂委員会で,以下の基本方針が決定された.1)世界の動向を鑑み,推奨グレードに「GRADEシステム」を採用する,2)一般医・消化器を専門とする医師であってもガイドラインの対象疾患を専門としない医師を読者対象に設定する,3) CQ数については上限100個以内とする,4)文献検索範囲は「1983年以降~2012年6月末」とする,5) 2014年4月の日本消化器病学会第100回記念総会に合わせた出版を目標とする.なお,これら原則の他,新薬の登場や保険適応の変更,新たなエビデンスの発表等,重大な変更が必要な内容のみを掲載した「Annual review版」を2012年に刊行することとなった. 慢性膵炎診療ガイドライン改訂委員会は,2012年9月に第1回改訂委員会を開催し,作業手順を確認.その後CQの見直しを行い,2012年11月7日にCQ案を決定,評価委員会の追加・修正を受けて2012年12月21日に最終CQ案を完成した.ガイドラインの基本構成は初版を踏襲し,「1.診断」に12個,「2.病期診断」に8個,「3.治療」に40個,「4.予後」に5個,総計65個のCQを設定した.初版に比べると新規CQを6個追加し,旧CQから3個を削除,初版CQのうち36個の文言を変更した.テストサーチを経て,文献検索作業に入り,5月末現在,構造化抄録作成に入る準備段階となっている.今後の予定として,本文作成作業を進め,9月には推奨文および推奨グレードの決定を目標に作業を進める. 結語:「慢性膵炎診療ガイドライン」に関しては,初版刊行以来,慢性膵炎臨床診断基準の改訂,早期慢性膵炎の疾患概念の提唱,新規消化酵素薬の保険収載,インクレチン製剤の使用増加,慢性膵炎疼痛に対する膵管ステントの保険適用など,いくつかの新たな展開がみられた.推奨グレードに「GRADEシステム」を採用し,世界への発信を念頭において改訂作業が進行中である. |
索引用語 | 慢性膵炎, 診療ガイドライン |