セッション情報 消化器病学会特別企画2(消化器病学会)

Helicobacter pylori 除菌治療 -コンセンサスと今後の展開-

タイトル 消企2-2指:

ピロリ菌感染胃炎の診断

演者 河合 隆(東京医大・内視鏡センター)
共同演者
抄録 【目的】ヘリコバクター感染胃炎の診断・治療の対象は,“内視鏡検査にて胃炎が認められることが必須条件である.今回我々はピロリ菌感染と各種内視鏡所見との関連について検討した.【方法】対象は418人,平均年齢は36.9才(22-58).上部消化管内視鏡検査と同時に血清抗IgGHP抗体検査を行った.内視鏡所見として櫛状発赤(RS), 内視鏡的平坦びらん胃炎(EFEG),内視鏡的隆起びらん胃炎(EREG),萎縮性胃炎(AG),内視鏡的出血性胃炎(EHG),内視鏡的発赤性&滲出性胃炎(EE&EG),内視鏡的鬱血性胃症(ECG),内視鏡的ひだ過形成性胃炎(ERHG),鳥肌胃炎(NG)の有無をチェックした.抗IgGHP抗体では10 U/ml以上をピロリ菌感染陽性とした.【成績】ピロリ菌感染陰性278人,陽性140人である.内視鏡所見としてRS119例(陰性:113,陽性:6),EFEG 21例(陰性:10,陽性:21),EREG 37例(陰性:28,陽性:9),AG 軽度305例(陰性:269,陽性:36),AG中等度78例(陰性:8,陽性:70),AG高度35例(陰性:1,陽性:34),EHG 16例(陰性:14,陽性:2),EE&EG 37例(陰性:0,陽性37),ECG19例(陰性:0,陽性:19),ERHG 16例(陰性:0,陽性:16),NG 6例(陰性:0,陽性:6)であった.【結論】ピロリ菌感染胃炎の除菌治療が今後急速に広まると思われ,胃がんの診断とともに背景粘膜である各種内視鏡的胃炎とピロリ菌感染の有無を把握することが重要になると思われる.
索引用語 ピロリ菌, 内視鏡的胃炎