セッション情報 |
消化器がん検診学会特別企画(主題)1(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
がん検診の精度管理
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タイトル |
検_検企1-6指:地域がん登録を用いた大腸がん集団検診の精度管理
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演者 |
服部 昌和(福井県立病院・外科) |
共同演者 |
藤田 学(福井社会保険病院), 松田 一夫(福井県健康管理協会・県民健康センター) |
抄録 |
【目的】精度の高い地域がん登録データを用いて大腸がん集団検診の効果および精度について検証する.【対象と方法】1984年開始の福井県地域がん登録資料を用いて,大腸がんのtrend解析および生存率を用いた大腸がん集団検診の効果の検証を行った.また2004年4月1日から2009年3月31日の期間における福井県大腸がん検診受診者データと福井県地域がん登録データとの記録照合を行い,プロセス指標である検診感度の測定と中間期癌の臨床病理学的検討および5年相対生存率を算出し,バイアスの存在についても検討した.【結果】trend解析からは大腸がんの罹患率と死亡率に乖離現象は認めなかったが,5年相対生存率は有意に検診受診者が高値であった.今回の検討期間における検診感度は0.82,特異度は0.95であった.5年相対生存率は真陽性群で91.2%,中間期群での88.3%に対し,精検未受診群では82.8%と低値であった.COXの比例ハザードモデルを用いた検討では,真陽性群に対し中間期群;2.47,精検未受診群;2.88とともに有意に死亡リスク比が高値であった.生存率曲線からは検診のリードタイムバイアスは約1.5年程度と推測された.福井県ではこれまでに過去3回の検診感度の測定が行われてきたが,それぞれ感度86.2(92~95年),80.1(95~01年)および82.4(今回)と高精度で推移していた.検診受診率は1987年の開始以来20%前後と依然低迷している.【結論】福井県では精度の高い地域がん登録を用いて集団検診の効果判定,精度管理および中間期癌の臨床病理学的検討が継続的に行なわれてきている.今後検診受診率向上に繋がるこれらデータの周知・活用が急務である. |
索引用語 |
大腸がん集団検診, 精度管理 |