セッション情報 消化器がん検診学会特別企画(主題)1(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

がん検診の精度管理

タイトル 内_検企1-8追:

人間ドック被験者を対象としたscreening colonoscopyの精度

演者 若村 邦彦(昭和大横浜市北部病院・消化器センター)
共同演者 工藤 進英(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 宮地 英行(昭和大横浜市北部病院・消化器センター)
抄録 【背景・目的】現在,screening colonoscopyは,大腸癌に対しもっとも精度の高い検査法とされながらも,人間ドックなどの任意型検診として普及されている.便潜血反応検査に比べ,検査に伴う合併症などの不利益が無視できないことが,住民検診という位置づけにならない原因と考えられる.当院の人間ドックにおけるscreening colonoscopyは,大腸内視鏡経験数1000件以上で卒後6年目以上の医師により施行されている.そこで,当センターにおける人間ドック被験者を対象としたscreening colonoscopyの安全性・精度を検討し,そのあり方を考察した.【方法】2001年12月から2012年9月にかけて,当院の人間ドックで大腸内視鏡を受けた延べ1895人の被験者を対象とした.内視鏡挿入時間,検査完遂率,合併症や大腸腫瘍の内視鏡検査所見について検討を行った.【成績】被験者1895人の平均年齢は57.3±11.8歳,男性が1435人,女性が460人であった.盲腸到達率は99.0%,平均挿入時間は9.25±8.10分,前処置を含めた内視鏡関連の合併症は認めなかった.癌は17人17病変に認められた(0.90%).平均腫瘍径は15.2±13.2mm,局在は右側結腸9例,左側結腸8例であった.癌深達度は,SSが2例,Mが15例であった.遠隔転移症例は認めず,リンパ節転移はSS癌に1例認められた.【結語】経験を積んだ医師による大腸内視鏡検査は,安全に完遂できるスクリーニング検査である.また,screening colonoscopyで発見される大腸癌は内視鏡で根治の望める早期癌がほとんどであり,その重要性が示唆された.
索引用語 screening colonoscopy, 大腸癌検診