セッション情報 消化器がん検診学会特別企画(主題)2(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

胃がん検診におけるH. pyloriと胃粘膜萎縮によるリスク集約-エビデンスの要約と今後の研究課題-

タイトル 検_検企2-6:

吹田市ペプシノゲン胃検診12年の歴史

演者 相馬 孝(吹田市医師会)
共同演者
抄録 吹田市ではペプシノゲン胃検診(以下PG検診)を40~65歳の5歳節目年齢を対象者とし平成12年度より開始した.PG検診の精検受診率は80%前後で,個別検診としては比較的高受診率である.しかし,吹田市で管理精検と呼んでいる,PG法陽性者に5年間連続して行う内視鏡検査の受診率は約30%とかなり低い.また,精検未受診者には受診勧奨をしたが,返答率は初年度精検,管理精検ともに約30%で,受診の有無の比率はほぼ半々,残り70%は返事がなかった.癌発見率はPG法受診年ではX線法とほぼ差がないが,早期癌の割合が高い.管理精検での胃癌発見数は少ないが受診者が少ないことと受診状況の把握が十分にできていないので評価困難である. PG検診は,採血を伴う健診と同時に行えば,受診者負荷が無いため,受診率向上が見込まれ,経費も比較的安価で検診機関の手技格差がなく客観性に優れた方法である.しかし,今回の吹田市の解析では,管理精検受診率は受診勧奨を行っても30%程度,勧奨の無い場合は20%以下という成績であった.初回受診率向上よりも,管理精検受診率を向上させ,ハイリスク者管理が徹底できないと後々検診を行う意義に疑問が生じると思われる.吹田市では,予算や人員不足が原因で平成20年度以降は管理精検の追跡調査も中断している状況にあり積極的な対策も計画できていないのが現状であるが,残念ながら,これは,予算と人員のみで解決できる様な容易な課題とは思えない.
索引用語 胃がん検診, ペプシノゲン法