セッション情報 | シンポジウム1(肝臓学会・消化器病学会合同)B型肝炎ウイルス再活性化の予防・治療の現状と課題 |
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タイトル | 肝S1-3:リツキシマブ+ステロイド併用悪性リンパ腫治療中のde novo B型肝炎対策:HBV DNA モニタリングによるpreemptive antiviral therapyの有用性の検討 |
演者 | 楠本 茂(名古屋市立大大学院・腫瘍・免疫内科学) |
共同演者 | 田中 靖人(名古屋市立大大学院・病態医科学), 溝上 雅史(国立国際医療研究センター・肝炎・免疫研究センター) |
抄録 | 【目的】B型肝炎ウイルス(HBV)既往感染歴を持つB細胞性非ホジキンリンパ腫(B-NHL)における,リツキシマブ(R)+ステロイド併用化学療法中のHBV再活性化のリスクおよびHBV DNAモニタリングによるpreemptive antiviral therapyの有用性を検証する. 【方法】対象は未治療CD20陽性B-NHLのうち,R+ステロイド併用化学療法(R-CHOP, R-CVP, R-THP-COP, R-C-MOPP 6-8コースのいずれか)を施行するHBV既往感染例(HBs抗原陰性例のうち,HBc抗体陽性あるいはHBs抗体陽性,両方陽性を含む).B-NHL治療中および治療後,月1回のHBV DNA定量検査(研究費負担)を行い,登録後1.5年間までモニタリングする(HBV DNAモニタリング).HBV再活性化(HBV DNA≧1.8 Logコピー/mL)を認めた時点で抗ウイルス薬の開始を推奨.試験デザインは多施設共同前方視的観察研究で,主要評価項目はHBV再活性化割合(UMIN000001299).保存血清(一部血清)を用いて,ウイルス学的解析を行う. 【成績】平成20年8月~平成23年8月までに,全国50施設より275例が登録.平成25年2月時点(4年6ヶ月経過)で275例中21例のHBV再活性化を認め,いずれも肝炎を認めない時点で抗ウイルス薬を開始.再活性化確認時のHBV DNA量の中央値は2.2 Logコピー/mL(範囲:1.8~3.3).21例中6例で,劇症化と関連するプレコアおよびコアプロモーターの変異によりウイルス複製亢進を認めた. 【結語】月1回のHBV DNAモニタリングによるpreemptive antiviral therapyは,R+ステロイド併用B-NHL治療中のde novo B型肝炎対策として有効であった.また,急激なHBV複製亢進例においても肝炎予防は可能であった. なお,本研究は厚生労働科学研究費補助金による肝炎等克服緊急対策研究事業(H20-肝炎-若手-014,H23-肝炎-若手-008,H24-肝炎-一般-004)の一環として行われている. |
索引用語 | 再活性化, HBV |