セッション情報 シンポジウム3(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

生物学的悪性度評価を加味した肝細胞癌治療戦略

タイトル 肝S3-1:

MRI拡散強調画像のADC mapで低信号を呈する肝細胞癌は予後不良である

演者 森 良幸(和歌山県立医大・2内科)
共同演者 玉井 秀幸(和歌山県立医大・2内科), 一瀬 雅夫(和歌山県立医大・2内科)
抄録 【目的】MRI拡散強調画像(DWI)におけるApparent diffusion coefficiennt (ADC) mapの腫瘍信号強度が小肝細胞癌に対するラジオ波焼灼術(RFA)の成績に影響するか明らかにする. 【方法】2008年2月より2012年10月の間に,RFAを施行した初発多血性肝細胞癌のうち3cm,3個以下の136例を対象とした.平均年齢は69.6±8.6歳,男性85例,女性51例,C型肝炎101例.平均腫瘍径は19.6±5.9mm.肉眼的にADC mapで背景肝よりも低信号の腫瘍を低信号群,低信号でない腫瘍を非低信号群に分類した.信号強度別に再発・予後をKaplan-Meier法で比較した.再発・生存に影響する因子に関して,年齢,性別,腫瘍径,腫瘍数,ADC map,AFP値,L3分画,PIVKAII,血小板数,ALT値,Child分類,IV型コラーゲン7S値,ヒアルロン酸値といった因子をCox回帰分析を用いて解析した.【成績】ADC map低信号群と非低信号の比較では,3年再発率は低信号群,非低信号群でそれぞれ86%,72%,3年生存率は60%,82%と,低信号群のほうが有意に再発期間,生存期間ともに短かった.再発に影響する因子について,単変量解析では,腫瘍数,腫瘍径,ADC map,C型肝炎,AFP値,IV型コラーゲン7S値,ヒアルロン酸値,ALT値に有意差がみられたが,多変量解析では,ADC map (HR2.651, 95%CI1.530-4.593 ),C型肝炎,腫瘍数に有意差がみられた.生存に影響する因子について,単変量解析では,ADC map,AFP値,IV型コラーゲン7S値,ヒアルロン酸値,Child Aに有意差がみられたが,多変量解析では,ADC map (HR2.945, 95%CI1.124-7.721 ),AFP,IV型コラーゲン7S値に有意差がみられた.【結論】3cm以下の小肝細胞癌であっても,ADC mapで低信号を呈する肝細胞癌に対するRFA後の再発率は高く予後不良であり,RFAの適応は慎重にすべきである.
索引用語 肝細胞癌, 拡散強調画像