セッション情報 ワークショップ8(消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会・消化吸収学会合同)

消化器疾患と胆汁酸

タイトル W8-基調講演:

胆汁酸研究の動向~オーバービュー~

演者 田妻 進(広島大病院・総合内科・総合診療科)
共同演者
抄録 消化器疾患と胆汁酸の関わりは複合的である。病態や発症メカニズムと密接に関わる場合は胆汁酸の代謝動態を評価することが診断に役立つ。一方、胆汁酸プールサイズやその組成が深く関与する場合は治療戦略としての応用が求められる。胆汁酸が腸肝循環を営むことから関連する疾患は実に多彩であり、1)胆汁逆流に基づく上部消化管疾患、2)胆汁酸再吸収障害に引き続く下部消化管疾患、3)胆汁うっ滞性肝疾患や胆道疾患など様々な消化器疾患と胆汁酸代謝異常が関わる。近年、胆汁酸をリガンドとする核内レセプターの発見から胆汁酸による消化器疾患治療戦略が急速に展開している。本ワークショップでは食道疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患、肝癌、胆汁うっ滞、胆道疾患への胆汁酸の関わりとその背景にある核内レセプターやトランスポーターの関与が発表されることから、肝・胆道および消化管における胆汁酸代謝の概要をそれらの関連分子を中心に解説する。ワークショップの活発な討議の一助になることを期待する。
索引用語 核内レセプター, 胆汁酸トランスポーター