セッション情報 |
シンポジウム4(消化器病学会・消化器内視鏡学会・肝臓学会合同)
IgG4関連膵胆道疾患の診断と治療
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タイトル |
内S4-11:自己免疫性膵炎の再燃に関与する要因と超音波内視鏡所見の検討
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演者 |
鷲見 肇(名古屋大・消化器内科) |
共同演者 |
廣岡 芳樹(名古屋大・光学医療診療部), 後藤 秀実(名古屋大・消化器内科DELIMITER名古屋大・光学医療診療部) |
抄録 |
[目的]自己免疫性膵炎(AIP)再燃の関与因子の検討.[方法]2006年1月より2012年12月に当院でAIPと診断または疑われた53例(ICDC:1型確診39例,1型準確診1例,2型準確診1例,疑診12例)中,1型確診で超音波内視鏡検査(EUS)実施33例を対象に,1)AIP再燃に関与する臨床所見(年齢,性別,膵腫大の局在,初診時Amy値,EUS-FNAによるLPSP診断の可否,膵外病変有無,ステロイド治療(継続/中止・治療なし),EUS所見)の検討,ソナゾイド®による造影超音波内視鏡検査(CE-EUS)実施17例で,2)CE-EUSの造影効果と再燃の関連を検討した.再燃は経過中に血液検査異常,膵腫大・膵外病変増悪等でPSLを増量したものとした.EUS所見はa)均一,b)不均一,c)分葉状に分類した.造影効果をTime-intensity curveで評価し,A)膵実質の輝度上昇開始から最高輝度までの時間,B)最高輝度からプラトーまでの時間,C)輝度上昇開始からプラトーまでの時間を計測した.当科ではステロイド治療は症状や膵外病変を有する例を適応とし少量長期投与を基本としている.中止2例で1例は患者希望,1例は臨床試験にて半年投与で中止.ソナゾイド®によるCE-EUSは当院倫理委員会の承認のもと施行している.[成績]1)33例中11例に再燃を認めた.初診時Amy値は再燃例で有意に高値であった(再燃無/有 74.5±38.5vs182.6±141.5;P=0.019).ステロイド治療では,中止・治療なし5例中3例で再燃を認めたが有意ではなかった(P=0.209).EUS所見の内訳は,均一10例,不均一15例,分葉状8例で,均一例に再燃が多い傾向であった(50%(5/10):27%(4/15):25%(2/8)).2)再燃無/有での造影効果の平均A,B,Cはそれぞれ(8.3±2.3秒,12.7±5.4秒,21.1±5.8秒)/(5.5±1.2秒,12.6±4.1秒,18.1±4.4秒)で,再燃例で有意に速やかな造影効果を認めた(P=0.013).[結論]AIP再燃の予測に,初診時Amy値,造影効果が有用である可能性が示唆された. |
索引用語 |
自己免疫性膵炎, 再燃 |