セッション情報 |
シンポジウム5(消化吸収学会・消化器病学会・肝臓学会合同)
消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-
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タイトル |
消S5-9:GLP-1分泌メカニズムに着目した糖尿病・NASHに対するDuodenal-jejunal bypassの有効性
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演者 |
柏原 秀也(徳島大・消化器・移植外科) |
共同演者 |
西 正暁(徳島大・消化器・移植外科), 島田 光生(徳島大・消化器・移植外科) |
抄録 |
【背景】我々はこれまでにSD ratを用いてDuodenal-Jejunal bypass (DJB) の糖尿病改善効果は回腸の胆汁酸吸収増加がL細胞を増加させGLP-1分泌を上昇させることによると発表した.近年ではGLP-1がNASH改善効果を有するとの報告や腸内細菌叢microbiotaがGLP-1分泌,NASH改善に寄与しているとの報告もある.今回DJBがmicrobiotaを変化させ,胆汁酸吸収増加によりGLP-1分泌増加・NASH改善効果を有するという興味ある知見を得たので報告する.【方法】検討1:IEC-6 cell lineにPBS,一次胆汁酸CA,二次胆汁酸LCAを加え,GLP-1mRNA,medium中GLP-1を測定.検討2:OLETF ratをDJB群(D群n=4),開腹のみのSham群(S群n=4),GLP-1アナログ製剤リラグルチド投与群(L群n=4)に分け,術後8週でOGTTを施行,全血・小腸・肝臓・糞便を採取し,各群の小腸・大腸におけるGLP-1分泌細胞(L cell)を免疫染色にてcount.3群間で肝NASH grading・staging,microbiotaを比較.【結果】検討1:LCA群ではGLP-1mRNA増加,medium中GLP-1値の高値がみられた.検討2:体重増加抑制効果はD>L>Sであった.D・L群におけるOGTT30,60,120分の血糖はS群と比較し有意に低値であり,insulin抵抗性の改善を認めた(D,L群はn.s.).D群の胆汁酸は他2群に比し高値を示しており,GLP-1(15,30分)も高値を示していた.D群の回腸L cell数は他2群と比較し有意に増加.また,D群のAST,FFA,ヒアルロン酸は他2群と比較し有意に低値を示し,NASH grading・stagingにおいても軽度であった.さらにD群microbiotaではGammaproteobacteriaの増加,Bacteroidiaの減少を認めた.【結語】DJBにおけるGLP-1分泌はmicrobiotaの変化による(二次)胆汁酸吸収増加の関与が示唆され,これらの変化が糖尿病・NASH改善に寄与している可能性がある. |
索引用語 |
Dupdenal-jejunal bypass, GLP-1 |