セッション情報 シンポジウム7(肝臓学会・消化器病学会合同)

C型肝炎治療の新展開

タイトル 肝S7-1:

多施設共同研究によるC型慢性肝炎に対するTVR 3剤療法の血清脂質からみた効果予測の検討

演者 梶原 英二(九州大関連肝疾患研究会)
共同演者 中牟田 誠(九州大関連肝疾患研究会), 林 純(九州大関連肝疾患研究会)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するPEG-IFNα2b・RBV・TVR 3剤療法が実臨床で導入された.今回,3剤療法の有効性について,血清脂質の観点から多施設で前向きに調査した.【方法】対象は,2011年12月から2013年2月まで3剤療法を受けた,C型慢性肝炎452例(男性226例,女性226例,年齢中央値62歳)で,治療終了12週後の持続的ウイルス陰性化(SVR12)が判定できた262例(Naive 82例,再治療179例)を解析対象とした.【成績】全体のSVR12率は80.8%,211例であった.治療前血清LDLコレステロール 95 mg/dL以上のSVR12率131例中122例,93.1%は,同95 mg/dL未満の124例中84例,67.7%と比べ,有意に高率であった(P<0.0001).多変量解析によるSVR12寄与治療前因子は,全体解析で,血清LDLコレステロール 95 mg/dL以上(OR 5.67,P<0.0001),血小板数13万以上(OR 2.96,P=0.0025),IL28B TT(OR 4.88,P<0.0001)であった.同様に,再治療群のみの解析で,LDLコレステロール 95 mg/dL以上(OR 9.68,P=0.0002),血小板数13万以上(OR 2.79,P=0.0158),IL28B TT(OR 3.13,P=0.0096),再燃例(OR 2.42,P=0.0485)であった.Naive群のみの解析で,LDLコレステロール 85 mg/dL以上(OR 6.07,P=0.0056)のみであった.多変量解析にて血清LDLコレステロール 95 mg/dL以上に寄与する因子は,HCV RNA 6.5 LogIU/mL以上(OR 1.86,P=0.0435)およびIL28B TT(OR 2.85,P=0.0015)であった.【結語】TVR 3剤療法おいて,血清LDLコレステロール値が治療有効因子として示された.
索引用語 3剤療法, テラプレビル