セッション情報 |
シンポジウム7(肝臓学会・消化器病学会合同)
C型肝炎治療の新展開
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タイトル |
肝S7-3:C型慢性肝炎に対するTelaprevir/Peg-IFNα2b/RBV 3剤併用療法の有効性
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演者 |
梅村 武司(信州大・消化器内科) |
共同演者 |
清澤 研道(長野赤十字病院・消化器内科), 田中 榮司(信州大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】 C型慢性肝炎に対するTelaprevir (TVR)/Peg-IFN/RBV併用療法の治療効果を検討した.【方法】 対象は当院および関連施設において3剤併用療法を行った1型C型慢性肝炎99例である.男性/女性 57/42例,平均年齢58歳(30-79歳:66歳以上18例).IFN治療歴:初回治療/再燃/無効/不明 46/34/17/2例.TVR投与量 2250mg/1500mg 40/59例. IL28B SNP TT/TG 59/19例.99例中38例が治療終了後24週以上経過したため,治療終了後24週のウイルス消失率SVR24について治療歴,副作用,IL28B SNP毎で検討を行った.【結果】 99例中TVRのみ中止例/3剤中止例はそれぞれ15例(15.2%)/11例(11.1%)と1/4の症例でTVRが中止になった.休薬の主な理由はTVRのみ中止例/3剤中止例で消化器症状5/5例,皮膚症状3/2例,貧血 2/0例,網膜症 0/2例であった.HCV RNA陰性化率(ITT解析)は治療開始後4週/12週/24週/SVR12/SVR24において81.0% (68/84)/94.1% (64/68)/60.2% (50/83)/63.8% (30/47)/55.3% (21/38)であった.SVR24を前治療歴で比較すると初回治療/再燃/無効例で57.1% (8/14)/84.6% (11/13)/20.0% (2/10)と再燃群で高く,TVR開始投与量2250mg/1500mgでは60.9% (14/23)/46.7% (7/15)であった.IL28B TT/TG+GGでは62.5% (15/24)/ 22.2% (2/9)と有意にTT群で治療効果が高かった.SVR24が得られなかった17例中5例はTVRのみ中止,8例が3剤中止,4例がbreakthroughを起こしていた.一方,TVRの中止がなく治療を完遂した15症例のSVR24は80.0% (12/15)であった.SVR24を得られなかった3例は前治療無効例でIL28BはTGであった.2例は投与20週と24週でbreakthrough,1例は治療終了後4週で再燃していた.【考案】 治療開始12週までのHCV RNA消失率は94.1%と高いが,SVR24は55.3%で予想外に低かった.全体の26%にTVR中止例を認めておりその影響が強かった.治療完遂例に限るとSVR24は80.0%であった.【結語】 SVR24を獲得するためにはTVRのアドヒアランスが重要と考えられる. |
索引用語 |
HCV, 3剤併用療法 |