セッション情報 |
シンポジウム7(肝臓学会・消化器病学会合同)
C型肝炎治療の新展開
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タイトル |
肝S7-4:PEGIFNα/Ribavirin/Telaprevir 3剤併用療法の治療効果
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演者 |
片野 義明(名古屋大大学院・消化器内科学) |
共同演者 |
石上 雅敏(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大大学院・消化器内科学) |
抄録 |
【目的】1型高ウイルス量のC型慢性肝炎に対するPEGIFNα/Ribavirin/Telaprevir(TVR) 3剤併用療法は高い治療効果が期待されているが,実臨床においては65歳超の高齢者も対象とし,TVRも適宜減量されており,現状での治療効果を検討する.【方法】当院及び関連施設においてPEGIFNα/Ribavirin/Telaprevir 3剤併用療法を行い治療終了後4週以上経過した1型高ウイルス量C型慢性肝炎患者100例を対象とし,治療終了後4週時HCV陰性化(SVR4)について検討した.男性64例,女性36例.平均年齢54.4歳(65歳超15例).初回治療42例,前治療再燃34例,前治療無効18例,不明6例.IL28B近傍遺伝子多型はTT 71.9%,ITPA遺伝子多型はCC 81.5%であった.平均HCV量 6.4 logIU/mL,平均Hb 14.5 g/dl,平均Plt 17.4万/μl,平均ALT 66 IU/ml であった.31例はTelaprevirを1500mg/日 で開始した.【成績】17例は12週以内に3剤治療を中止し,平均治療期間は20.9週であった.治療4週,12週,24週のHCV陰性化率はそれぞれ70.8%,96.4%,92.2%であり,ITT解析でSVR4は75.0%であった.SVR4を達成する有意な治療前の因子は,IL28B TT群,前治療非無効で,年齢,性,HCV量,ITPA,初回TVR投与量に有意差は認めなかった.3剤の標準投与量に対するアドヒアランス別SVR4率は,20%未満/20~40%/40~60%/60~80%/80%以上としてそれぞれ,PEGIFNα 27.3%/81.8%/72.7%/81.8%/81.8%,Ribavirn 50.0%/65.0%/78.6%/85.0%/93.3%,TVR 16.7%/71.4%/85.7%/79.3%/79.1% であり,RBVはアドヒアランスとSVR4に相関があった.初回TVR投与量においてRBVアドヒアランスに有意差はなかった.【考察】PEGIFNα/Ribavirin/TVR 3剤併用療法において初回,再燃例,IL28B TT群のSVR4達成率は高率であり,高い治療効果が期待される.SVRを得るためにはRibavirinの総投与量が重要であり,TVR1500mg/日は有益と考えられる.【結論】PEGIFNα/Ribavirin/TVR 3剤併用療法は高い治療効果が期待できるが,Ribavirin総投与量が重要である. |
索引用語 |
C型慢性肝炎, Telaprevir |