セッション情報 |
シンポジウム7(肝臓学会・消化器病学会合同)
C型肝炎治療の新展開
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タイトル |
肝S7-6:1型高ウイルス量のC型慢性肝疾患に対するテラプレビル1500mg/12時間毎(2回投与法)と2250mg/8時間毎(3回投与法)の有効性および安全性に関するランダム化比較臨床試験
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演者 |
川上 由育(広島大病院・消化器・代謝内科) |
共同演者 |
今村 道雄(広島大病院・消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大病院・消化器・代謝内科) |
抄録 |
【目的】TVRの2回投与法と3回投与法におけるTVRの血中動態の確認,有効性および安全性の検討を行った.【方法】IL28B遺伝子がT/TあるいはIFN前治療が再燃のnonT/Tである1BHのC型慢性肝炎患者を対象とした.症例を中央登録し前治療歴,HCVcoreAA70,年齢,性別,体重,Hb値を層別因子として最小化法により割付を行った.PegIFN/ribは規定投与量とし,TVRは1回750mgを2回投与法は12時間毎に,3回投与法は8時間毎に投与した.最初の20症例に対し投与2週目にTVRのPK(7ポイント)およびリバビリンの血中濃度を測定した.主要評価項目はSVR24.【結果】53例が登録,2回投与法群に26例が3回投与法群に27例が割り付けられた.投与2週目のTVRのAUC24hは2回投与法群60(μg/ml),3回投与法群75(μg/ml)と1.31倍であった.TVRのAUC24hとtrough値は正の相関を認めた(R=0.95).投与2週目のリバビリン血中濃度は3回投与法群の方が高かった.またリバビリン血中濃度は2回投与法群ではばらつきが少なかった.血中のウイルス減少量は投与2週目:2回投与法群-6.0Log/ml,3回投与法群-5.75Log/ml,投与4週目:2回投与法群-6.8Log/ml,3回投与法群-6.5Log/mlと同程度であり8週目には全例が陰性化していた.Hb低下量は2回投与法群:2週目-1.7g/dl,4週目-3.5g/dl,6週目-4.2g/dl,8週目-4.0g/dl,12週目-4.2g/dlと6週目以降はプラトーであるが,3回投与法群:2週目-1.3g/dl,4週目-3.2g/dl,6週目-4.2g/dl,8週目-4.6g/dl,12週目-4.9g/dlと12週目まで低下した.eGFR低下量は2回投与法群ではほぼ低下していないが,3回投与法群では低下していた.皮膚症状は両群において差は認めなかった.【結論】TVRの2回投与法は3回投与法と同等のウイルス動態を示し,腎障害も軽度でありアドヒアランスからも有用と考えられる.本邦における3剤併用療法では,TVRの開始用量は1500mg/12時間毎が至適である. |
索引用語 |
テラプレビル, RCT |