セッション情報 |
シンポジウム7(肝臓学会・消化器病学会合同)
C型肝炎治療の新展開
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タイトル |
肝S7-11:Telaprebir/Peg‐IFN/RBV3剤併用療法の治療副効果・副作用予測因子の検討
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演者 |
須田 剛生(北海道大・消化器内科) |
共同演者 |
中馬 誠(北海道大・消化器内科), 坂本 直哉(北海道大・消化器内科) |
抄録 |
【背景/目的】Telaprevir(TVR)/Peg-IFN/リバビリン(RBV)三剤併用療法に対する治療反応性と副作用発現予測の解析は十分でない.そこで我々は,ウイルス陰性化に寄与する治療効果予測因子と副作用発現予測因子の解析を行った.【方法】当院,関連施設において三剤療法を施行した90例を対象とし,治療終了後4週後ウイルス学的著効(SVR4)に関与する因子,皮疹発現予測因子の検討を行った.【成績】SVR4達成率は73%(29/41)であった.SVR4に寄与する因子は単変量解析では,治療開始後4週のウイルス陰性化(RVR),IFN前治療成績,IFN adherence40%以上,TVR adherence40%以上が抽出された.更に多変量解析にてはRVR,IFN adherence,TVR adherenceがSVR4に寄与する有意な因子として抽出された.そこでRVRを規定する因子について更に解析を行ったところ4週までのRBV adherence40%以上のみが有意な因子として抽出された.副作用発現解析可能症例中3例にgrade3以上の皮疹をみとめTVRの中止が余儀なく2例はnonSVRであった.我々は重症薬疹において上昇すると報告されている血清グラニュライシンに着目し保存血清を用いgrade3以上の薬疹例とgrade2以下の薬疹例について値の推移について検討した.Grade3薬疹例においては,開始後3日で薬疹の出現した1例を除く2例において,薬疹出現1-2週間前には治療前の2倍以上の上昇を認めた.一方,grade2以下の症例においては4例中3例では上昇は軽微で経過中の上昇は1.35倍未満であった.【結語】三剤併用療法による治療をより効果的に行うためには治療時期別に薬剤のadherenceを考慮する事が重要と考えられた.また血清グラニュライシン値測定は重症薬疹の早期発見に有用である可能性が示唆された |
索引用語 |
HCV, 皮疹 |