セッション情報 |
シンポジウム7(肝臓学会・消化器病学会合同)
C型肝炎治療の新展開
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タイトル |
肝S7-12:TVR3剤併用療法の治療効果規定因子
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演者 |
島田 紀朋(新松戸中央総合病院・消化器・肝臓科) |
共同演者 |
厚川 正則(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 相澤 良夫(東京慈恵会医大葛飾医療センター・消化器・肝臓内科) |
抄録 |
【目的】C型慢性肝炎(CHC)に対するTVR3剤併用療法の登場により従来のSOCに比しSVR率は向上したが,前治療NVRのSVR率は十分ではない.そこで実地臨床における治療成績を解析し治療効果規定因子を検討した.【方法】対象はGenotype1のCHCで3剤併用療法を開始し4週以上施行した206例.RVR,ETR(T12PR24終了時または中止時),SVR12( SVR)を検討した.なおT12PR48はSVR8で検討した.なおNVRはpartial responder(PR)とnull responder(NR)に分類した.【成績】1)RVR:RVR率は78%(160/206).多変量解析で前治療NVR(OR 0.3,p=0.01),HCV-RNA(OR 0.2,p<0.01)が抽出された.12週経過したRVR141全例でeRVRが達成された.2)ETR:ETR率は95%(152/160).前治療別ではnaïve/relapser/PR /NRで94%(58/62)/98%(61/62)/100%(17/17)/84%(16/19)でNRはそれ以外に比しETRが低率であった(p=0.06).IL28B SNP(rs8099917)別ではTT/n-TTで100%(96/96)/88%(56/64)と有意差を認めた(p<0.01).さらにETR/n-RTRでは中央値でγGTP 40/90 IU/L,AFP 4.6/34.1ng/mLでありn-ETRで有意に高値であった(各々p=0.01,p<0.01).3)SVR:T12PR24のSVR率は85%(101/119).多変量解析でIL28B SNP TT(OR 14.1,p=0.02),RVR(OR 5.7,p=0.04),AFP(OR 0.9,p=0.04)が抽出された.前治療別ではnaïve/relapse/PR/NRで88%(43/49)/92%(48/52)/83%(10/12)/0%(0/6)であり,PRとNRではSVR率に有意差を認めた(p<0.01).T12PR48のSVR8率はnaïve/relapse/PR/NRで75%(3/4)/100%(5/5)/67%(2/3)/70%(7/10)であり,NRでSVR8率が向上した(p=0.01).NRではSVR8/n-SVR8のAFP中央値は 8.7/16.9 ng/mLでありn-SVR8で高値であった(p=0.05).【考案及び結語】NRはT12PR24でのSVRは皆無であり3剤併用療法でもなおSOCの治療反応性が影響しているが,AFP低値例ではT12PR48でSVR率が向上する可能性もあり更なる検討を要する. |
索引用語 |
テラプレビル, C型肝炎 |