セッション情報 シンポジウム7(肝臓学会・消化器病学会合同)

C型肝炎治療の新展開

タイトル 肝S7-13:

Telaprevirを用いた3剤併用療法:IL28B SNPs,Adherence,Responseに応じて延長投与するプロトコールの有用性

演者 菅原 通子(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科)
共同演者 甲嶋 洋平(さいたま赤十字病院・消化器内科), 持田 智(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科)
抄録 【目的】Telaprevirを用いた3剤併用療法の治療効果向上を目指し,IL28BのSNPs,薬物投与量,HCV-RNA陰性化時期に応じて治療期間を設定するAG&RGTトライアルを多施設共同で実施している(大学IRB承認).今回SVR率から見たその有用性を報告する.
【方法】対象は2013年2月末までに登録された269例(初回122例,再燃91例,無効48例,前治療効果不明8例).治療期間はRVRでIL28B SNPsがmajor allele及びminor alleleでもribavirinとPeg-IFNのadherenceが共に80%以上では24週,RVRでも何れかのadherenceが80%未満かつIL28B SNPsがminor allele及びnon-RVRでcEVRでは48週,pEVRは72週まで延長した.
【成績】RVR 率は79.4%(初回78.0%,再燃86.7%,無効67.4%)で,IL28Bがminor alleleでコア70が変異株でも63.8%と高値であった.24週治療終了84例のSVR率は91.6%,前治療無効例でも81.3%,IL28Bがminor alleleでコア70が変異株でも72.9%と高率であった.延長投与60例のうち47例は48週,2例は72週の予定で継続中だが,11例は48週治療を終了し8例(72.7%)がSVR,1例が再燃,2例がbreakthroughを生じた.中止症例43例中最多は眼底病変(10例)であったが,telaprevirの中止ないし減量で網膜症は改善した.また中止症例でも18例(41.9%)はSVRを達成した.現在までに治療終了した症例は全体で中止例も含め131例であるが,そのITT解析でのSVR率は84.0%,初回例87.3%,再燃例89.4%,無効例68.0%であった.無効例を前治療における2 Log以上のHCV-RNA量低下の有無で区分してもSVR率に差異はなかった.
【結語】本トライアルに従い治療期間を設定すると前治療無効例およびIL28Bがminor alleleでコア70が変異株の症例でも高率のSVR率が得られている.中止の原因として最多であった眼底病変の対策法も明らかになり,投与法を工夫して治療を完遂すれば次世代治療薬と同等の治療成績が得られると考えられた.
索引用語 Telaprevir, C型慢性肝炎