セッション情報 シンポジウム12(消化器病学会・消化吸収学会合同)

GERDと生活習慣病

タイトル 消S12-6:

GERDと食習慣

演者 柴田 知行(藤田保健衛生大・消化管内科)
共同演者 石塚 隆充(藤田保健衛生大・消化管内科), 平田 一郎(藤田保健衛生大・消化管内科)
抄録 【背景・目的】GERDは生活習慣の影響が強いと言われている.我々は以前,食の嗜好とGERDが関連する事を報告した(JDDW2007).今回,特に刺激の強いものに対する嗜好とその反応の違いがGERDに及ぼす影響につき検討した.【方法】対象は当院内視鏡センターを訪れた患者で,我々が開発した味の嗜好問診調査の同意を得た280名.種々の味のうち,特に刺激性が強い辛み・塩味・酸味につき検討した.問診内容は辛い(塩辛い,酸っぱい)ものが好きかどうかと,辛い(塩辛い,酸っぱい)ものを食べた後の身体の反応について問い,反応については可能な限り具体的に記述をお願いした.同時にFスケールを測定し,相関関係をANOVAにて解析した.【結果】辛みの好き嫌いと摂取後の反応の違いによりFスケールは有意に異なった(p=0.0058).特に辛みが好きであるが摂取後の身体的反応が強い人で,Fスケールの平均点が最も高かった(12.5±1.6).逆に辛みを好まず反応も無い人が最も低い数値であった(7.0±0.7).塩味に関しても同様の傾向を認め(p=0.0346),塩味が好きで摂取後に身体反応が出る人のFスケールが最も高かった(12.7±2.8).酸味に関しては,酸味が好きだが身体反応が生じる人のFスケールは,酸味が好きでなく反応もない人に比し有意に高かった(13.4±2.6 vs 7.4±0.6).【結論】刺激の好みと身体反応がGERDと関連している事が明らかとなり,特に刺激物を好むにもかかわらず身体反応の発現しやすい者がGERDと強く関連している事が判明した.以上の事から食事指導がGERD治療においてプラスアルファの効果をもたらす可能性が示唆された.
索引用語 GERD, 生活習慣