セッション情報 シンポジウム13(消化器外科学会)

肝胆膵外科領域におけるロボット・腹腔鏡下手術の現状と課題

タイトル 外S13-1:

生体質感を再現した3Dプリンタ臓器立体モデルによる肝胆膵消化器外科手術戦略

演者 杉本 真樹(神戸大大学院・消化器内科学)
共同演者 東 健(神戸大大学院・消化器内科学)
抄録 複雑で再現困難な肝胆膵内視鏡手術の安全性, 正確性改善を目的に, 生体質感臓器立体モデルの肝胆膵内視鏡手術・ロボット手術シミュレーションにおける有用性を報告する.  肝胆膵臓器をウェットな質感ごと再現した造形技術BioTexture (特許)を開発した.OsiriXにてMDCTの臓器内外部構造データを,混合噴射積層式3Dプリンタで多素材樹脂にて精度0.016mmで忠実に再現し肝胆膵内視鏡手術での有用性を評価した. 肝や膵, 腎などの実質臓器は,内部構造を透見化した透明樹脂で造形し, 局在診断向上に有用で, 肝胆膵切除術では,透明で軟かい臓器モデルが,切離線を可視化し,実際に肝膵切離や胆膵管腸管縫合手技が反復できる実体シミュレーションとなった.腹壁も透明で造形し,内臓を透見しながら穿刺部を選定できた.これはドライボックス内でも利用でき, ウェット造形はエナジーデバイスの触覚を再現補助した.これは症例の個別化を実現したシミュレータであり,患者家族ICや術前後カンファレンス, 反復トレーニングや若手教育においても実践的で, 動物実験やtissue laboに置き換わる革新的システムといえた.  臨床データから個別に造形した生体質感臓器立体モデルは, 腹壁穿刺から切除再建までシミュレーションでき, 複雑で再現困難な肝胆膵内視鏡手術の技術向上に貢献する.
索引用語 3dプリンタ, osirix