セッション情報 シンポジウム13(消化器外科学会)

肝胆膵外科領域におけるロボット・腹腔鏡下手術の現状と課題

タイトル 外S13-8:

肝細胞癌に対する腹腔鏡下肝切術の有用性と課題

演者 金沢 景繁(大阪市立総合医療センター・肝胆膵外科)
共同演者 塚本 忠司(大阪市立総合医療センター・肝胆膵外科), 清水 貞利(大阪市立総合医療センター・肝胆膵外科)
抄録 【はじめに】肝細胞癌(HCC)に対する腹腔鏡下肝切除は,2010年の保険収載以降,その低侵襲性が明らかとなりつつあり,近年急速に普及している.当院ではHCCに対する腹腔鏡下肝切除を積極的に施行しており,現在までに199例のHCCに対して導入してきた.当院でのこれまでの手術成績からみたその有用性と課題について考察する.【手術手技】当院では腹腔鏡下肝切除導入後,Step by stepに適応を拡大し2010年6月より術式を定型化.肝予備能良好例では完全腹腔鏡下系統的肝切除を基本とし,肝予備能不良例には,肝臓の授動操作を最小限とする事で可能な限り側副血行の温存を心がけている.また再肝切除症例にも積極的に導入し,気腹圧と拡大視野効果を生かした,必要最低限度の癒着剥離操作での肝切除を施行する.【結果】HCCに対する腹腔鏡下肝切除199例のうち,完全腹腔鏡下系統的肝切除の手術成績は,開腹下肝切除,腹腔鏡補助下肝切除と比較し,術中出血量/術後在院日数で有意に優れており,組織学的肝硬変併存例や再肝切除例に対する非系統的切除例を開腹群と比較したところ,術中出血量/術後合併症の頻度/術後在院日数で腹腔鏡下肝切除例が有意に良好であった.術式定型化後に完全腹腔鏡下肝切除を施行したHCC140例のうち,hybrid conversionが7例,開腹移行例が4例にみられた.hybrid conversionはすべて右葉横隔膜下症例で,開腹移行例は,3例が右葉の脱転困難例,1例が高度癒着例であった.【結論】当院でHCCに対し腹腔鏡下肝切除の適応拡大を施行してきた結果,右葉横隔膜下症例に対する困難さはあるものの,開腹下肝切除と比較し術後短期成績に優れており, HCCの外科的治療において,今後ファーストラインとなっていくものと考えられた.
索引用語 腹腔鏡下肝切除術, 肝細胞癌