セッション情報 |
シンポジウム14(消化器外科学会)
短期,長期成績からみた消化器外科手術における推奨再建術式
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タイトル |
外S14-6指:大腸癌に対する手術 ~最適な術式・再建方法を目指して~
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演者 |
佐藤 武郎(北里大・外科) |
共同演者 |
中村 隆俊(北里大・外科), 渡邊 昌彦(北里大・外科) |
抄録 |
大腸癌に対する腹腔鏡下手術は,早期癌から進行癌へと適応も広がり,近年格段の進歩を遂げた.利点は,術創が小さいため,創痛の軽減や整容性の向上,早期離床,経口摂取の早期開始,その結果としての早期社会復帰といった短期予後の改善である.さらに,低侵襲性だけでなく,拡大視効果による精緻なリンパ節郭清や神経温存,術後の癒着の低減などが挙げられる.一方で,腹腔鏡手術の利点である小さな創で再建を行うこと,開腹手術に比べて手術時間が若干長いことを補うために器械吻合を用いることが増加した.右側大腸癌においても,機能的端々吻合が頻繁に行われるようになった.本再建方法は,操作時間も短く,術野の不潔となる時間も短く,創感染の予防には優れている.しかし,若手外科医の手縫い吻合をする機会が少なくなっている事実もある.腹腔鏡手術の普及に伴い多くの肉眼・臨床・手術解剖が解明されるようになった.加えて,縫合器械も進歩を遂げ,より低位の直腸癌も肛門括約筋温存手術が行われるようになった.再建法の多くはDouble Stapling Techniqueが用いられている.永久人工肛門の回避は重要なポイントである.近年は,さらに低位の直腸癌に対して,内肛門括約筋切除術が行われるようになった.再建は,経肛門的手縫い吻合で行う.しかし,低位の直腸癌の手術は排便回数の増加は顕著であり,リザーバー機能の喪失は否めない.これに対して,貯留嚢作成,側端吻合等の工夫がなされているが,現状では一定の見解はない.また,より低位の吻合を行う際には,一時的人工肛門造設術を併施や,経肛門的ドレーンの挿入を行い,縫合不全の予防や,起こった際の重篤化を避けるための方策が行われている.一部の施設では顕著な縫合不全の低下が報告されている.【まとめ】再建は重要な手術操作であるが,再建のみで種々の成績が改善されるわけではない.手術全体の進歩と直結しており,定型化した手術を安定して行うことが重要である. |
索引用語 |
大腸癌, 再建 |