セッション情報 |
シンポジウム16(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
Endoscopic oncology
|
タイトル |
内S16-3:malignant gastric outlet obstructionに対する金属ステント留置術と胃空腸吻合術の比較検討
|
演者 |
久保 敦司(倉敷中央病院・消化器内科) |
共同演者 |
石田 悦嗣(倉敷中央病院・消化器内科), 山本 博(倉敷中央病院・消化器内科) |
抄録 |
【背景】幽門狭窄を伴う切除不能進行癌症例に対して,経口摂取改善目的に緩和的治療としてステント留置術と胃空腸バイパス術が施行されてきた.昨今化学療法による予後延長の報告がある中で,化学療法を行う積極的加療を含めた症例における両者を比較した治療成績や合併症についての報告は少ない.【対象と方法】当院において2001年1月から2012年9月までに切除不能進行癌に対してステント留置術を施行した107例(MS群),胃空腸バイパス術を施行した84例(GJ群)を対象にretrospectiveに検討した.経口摂取はGastric Outlet Obstruction Scoring System(GOOSS)で評価し,臨床的成功をMSまたはGJ後のGOOSS scoreの1以上の改善と定義した.【結果】年齢中央値(歳)72/71,男女比65:42/54:30,胃癌:膵胆道癌:他52:50:5/45:23:16,PS(0:1:2:3:4)5:29:22:25:26/10:38:32:4:0,狭窄長中央値(mm)25/30,腹水(有:無)60:47/16:68.臨床的成功率96.2%(103/107)/92.9%(78/84) p=0.294,食事再開までの期間中央値(日)2/6 p<0.001,化学療法再開率32.7(35/107)/38.1%(32/84) p=0.418.MS群におけるGOOSS score(0:1:2:3)前/後87:19:1:0/4:12:54:37 p<0.0001,GJ群におけるGOOSS score前/後49:32:3:0/4:3:49:28 p<0.001,両群間の処置後のGOOSS score比較p=0.246.胃癌患者において,全患者対象群MST(日)97/224 p<0.001,化学療法再開群MST190/334 p=0.006.一方膵胆道癌患者において,全患者対象群MST64/133 p=0.143,化学療法再開群130/224 p=0.062.偶発症発症率20.5%/12.1% p=0.365,re-intervention率11.2%/1.2% p=0.007.【結語】両群ともに食事摂取改善には有意な差を認めず有効な治療であった.一方で胃癌患者においては,GJ群の生存期間が良好であり,re-intervention率が低いことから積極的に化学療法を施行できる状況であれば,GJを施行する方が望ましいといえる. |
索引用語 |
十二指腸ステント, GOO |