セッション情報 シンポジウム16(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)

Endoscopic oncology

タイトル 内S16-11:

膵癌の胆管・十二指腸閉塞に対する内視鏡的ダブルステンティングの検討

演者 殿塚 亮祐(東京医大・消化器内科)
共同演者 糸井 隆夫(東京医大・消化器内科), 森安 史典(東京医大・消化器内科)
抄録 【背景】切除不能膵癌にしばしば認められる胆管閉塞・十二指腸閉塞は,癌が進行している状態であることが多く,低侵襲な治療が望ましい.またその治療に難渋し,化学療法の開始や再開を遅らせる事も少なくない.近年,胆管閉塞・十二指腸閉塞に対する低侵襲治療として,胆管ステントと十二指腸ステント(以下DuS)を留置するダブルステンティングが試みられており,当院でもERCPおよび,超音波内視鏡下胆道ドレナージと組み合わせた内視鏡的ダブルステンティング(以下EDS)を施行してきた. 【目的と方法】2008年1月から2013年2月までの当科における,膵癌による胆道狭窄・十二指腸狭窄に対して,EDSが施行された13名についてその十二指腸閉塞部位,胆道ドレナージ方法,手技成功率,偶発症率,ステント開存期間等を検討した. 【結果】平均年齢は69.3±8.9歳,男性10,女性3例であった.十二指腸閉塞部位は,十二指腸乳頭より口側が2例,乳頭を跨ぐのは10例,肛門側が1例であった.併用した胆道ドレナージ法は,経乳頭的なSEMS留置が4例, EUS-guided choledochoduodenostomy (EUS-CDS)が4例,EUS-guided choledochoantrostomy (EUS-CAS)が1例,EUS-guided hepaticogastrostomy (EUS-HGS)が4例であった.手技成功率は100%, 偶発症率 (早期0%,後期38.5%)で, その内訳は胆管ステント閉塞3例,十二指腸ステント閉塞1例,消化管穿孔1例であった.DuS留置により全例で経口摂取が可能となり,経口摂取の開始までの時期が術後平均 3.1±2.2日,死亡日より平均 14.3±12.6日前まで継続可能であった.また,胆道ドレナージ別にみても,偶発症率や開存期間,予後等に有意差を認めなかった.【結語】EUS-BDおよびERCP関連手技を用いたEDSは安全に施行され,長期経過も良好であり有用であった.
索引用語 ダブルステンティング, 膵癌