セッション情報 |
シンポジウム17(消化器内視鏡学会)
抗血栓薬と内視鏡-新ガイドラインの評価
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タイトル |
内S17-3:抗血栓薬による偶発症の発生状況と新ガイドラインの受け入れ状況
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演者 |
鷹取 元(金沢大附属病院・消化器内科) |
共同演者 |
加賀谷 尚史(金沢大附属病院・消化器内科), 金子 周一(金沢大附属病院・消化器内科) |
抄録 |
【背景】抗血栓薬の取り扱いについて新しいガイドラインが示された.抗血栓薬の休薬による偶発症に注意が払われているが,一方で服薬したままでの生検等に対する懸念も存在する.今回我々は抗血栓薬による偶発症の経験と新ガイドラインの受け入れ状況について,消化器内視鏡専門医に調査した.【方法】32施設55名(病院42名,診療所13名)の専門医にアンケート調査を行った(2013年3月).解析はカイ2乗検定を用いた.【結果1】抗血栓薬休薬による偶発症は27%の医師が経験し,脳血管障害が最多で11例,心血管イベントが2例,下肢動脈閉塞が1例であった.基礎疾患は脳血管疾患が9例,心房細動が5例であった.中止薬剤はアスピリンとワーファリンが7例ずつと多かった.【結果2】生検による出血は20%の医師が経験し,ほとんどが胃生検だった.チクロピジンが最多8例で,休薬後の出血も3例認めた.休薬しなかった出血は,アスピリン・チクロピジン併用が2例,アスピリン2例,チクロピジン,ワーファリンが各1例だった.【結果3】抗血栓薬の影響と考える治療による出血は31%の医師が経験していた.大腸EMR8例,PEG4例,胃ESD3例などで,薬剤はクロピドグレルが最も多かった.ほとんどの例は休薬再開後の出血だが,アスピリン投与下でのPEGと大腸EMR後の出血例もあった.【結果4】新ガイドラインについて,「理解している」が52%,「だいたい理解」が44%と,広く認知されていた.導入状況は「すでに導入」31%,「導入検討」47%,「以前のガイドラインのまま」20%であった.血栓塞栓症のリスクの高い症例の生検については,「抗血栓薬内服のまま生検」が病院医師の37%に対して,診療所は0%,「一部の薬剤のみ生検」が病院12%,診療所8%と,診療所で有意に慎重だった(p<0.05)【考察】抗血栓薬の中止による偶発症は27%の専門医が,生検による出血は20%の専門医が経験していた.新ガイドラインはすでに広く知られているが,生検については,特に診療所において慎重な姿勢がみられた. |
索引用語 |
抗血栓薬, 偶発症 |