セッション情報 シンポジウム17(消化器内視鏡学会)

抗血栓薬と内視鏡-新ガイドラインの評価

タイトル 内S17-10:

低用量アスピリン内服継続例における胃ESDの安全性

演者 佐野村 洋次(広島大病院・内視鏡診療科)
共同演者 岡 志郎(広島大病院・内視鏡診療科), 茶山 一彰(広島大病院・消化器・代謝内科)
抄録 【背景】 2012年7月,日本消化器内視鏡学会より「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」が刊行され,ESDなどの出血高危険度の消化器内視鏡において,血栓塞栓症の発症リスクが高い低用量アスピリン (LDA) 単独服用者では休薬なく施行してもよいとされた.また,当科では2010年12月以降,院内規定により全例LDA内服継続のまま内視鏡治療を行う方針としている.【目的】 LDA内服継続群とLDA非内服群を比較検討し,LDA継続下での胃ESDの安全性を検証する.【対象と方法】 当科にて2010年12月から2013年1月までに胃ESDを施行した455例485病変を対象とし,LDA内服継続群 (33例37病変) とLDA非内服群 (422例448病変) の2群に分け,完全一括摘除率,術中出血コントロール不良率,後出血率,周術期における虚血性疾患イベントの有無について比較検討した.LDA内服理由は,虚血性心疾患 52% (17/33),脳血管疾患 36% (12/33),閉塞性動脈硬化症 6% (2/33),その他 18% (6/33) であり,LDA以外の抗血栓薬併用は33% (11/33) であった.なお,術中出血コントロール不良は既報のごとく止血鉗子による凝固止血が10回以上必要であったものと定義した.【結果】 完全一括摘除率は,LDA内服継続群 100% (37/37),LDA非内服群 95% (427/448), 術中出血コントロール不良率は,LDA内服継続群 11% (4/37),LDA非内服群 11% (51/448),後出血率は,LDA内服継続群 6% (2/37),LDA非内服群 4% (18/448) であり,いずれも両群間に有意差を認めなかった.後出血例は全て内視鏡的に止血可能であった.周術期における虚血性疾患イベントは,両群で1例も認めなかった.【結語】 LDA内服継続群とLDA非内服群の間で治療成績に差はなく,LDA内服継続下でも胃ESDは安全に施行可能である.
索引用語 アスピリン, ESD