セッション情報 シンポジウム19(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)

GERDにおける内視鏡診療の進歩

タイトル 消S19-1:

GERD症状の頻度と逆流性食道炎の予測因子の解析

演者 梅本 久美子(国立国際医療研究センター・消化器科)
共同演者 永田 尚義(国立国際医療研究センター・消化器科), 秋山 純一(国立国際医療研究センター・消化器科)
抄録 【目的】GERD症状の頻度と逆流性食道炎の予測因子を明らかにする
【方法】対象は2009年10月~2012年6月に当院で上部消化管内視鏡検査(EGD)を行い,GSRS(Gastrointestinal Symptom Rating Scale)問診票,詳細な薬剤・生活習慣の問診にて評価を行った3681例 (女性42%, 58±14歳).内視鏡にて逆流性食道炎 (RE) (LA分類: A/B(軽症), C/D(重症)),食道裂孔ヘルニア (HH)を評価し,GSRSの胸やけまたは胃酸逆流スコア3以上をGERD症状ありとした.また,GERD症状を有しREのないものをNERDと定義した.
【成績】
(1)GERD症状の頻度は,PPI非内服群 (2666例)の20.4%,PPI内服群 (1015例)の30.2%であった.また,NERDとREの頻度は,PPI非内服群でNERD 17.4%, RE 8.3% (軽症7.8%,重症0.4%) ,PPI内服群でNERD 28.5%, RE 4.5% (軽症 4.1%,重症0.4%)であった.
(2)EGDでのREの発見に関して,PPI(-) GERD症状(-)を基準とした場合のオッズ比(OR)は,PPI(-) GERD症状(+)では2.3 (p<0.01), PPI(+) GERD症状(-)では0.6 (p<0.01), PPI(+) GERD(+)では0.9 (p=0.6)であった.
(3)ロジスティック回帰分析による多変量解析では,男性(OR 1.9, p<0.01), HH (OR 2.2, p<0.01), カルシウム拮抗薬(OR 1.5, p=0.02), 飲酒(OR 1.6, p<0.01), H2受容体拮抗薬 (OR 0.6, p=0.05), PPI (OR 0.5, p<0.01), GERD症状 (OR 2.1, p<0.01)が,REの発見に関連する独立した因子であった.
【結論】内視鏡受検者の2-3割にGERD症状を認め,多くはNERD患者であった.逆流性食道炎の予測因子として,男性,食道裂孔ヘルニア,カルシウム拮抗薬,飲酒,酸分泌抑制薬非内服,GERD症状が明らかとなった.
索引用語 GERD, 逆流性食道炎