セッション情報 シンポジウム22(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

消化器癌内視鏡治療・鏡視下手術後の再発病態と対策

タイトル 内S22-1:

大腸SM癌内視鏡治療後の再発形式と予後

演者 浦上 尚之(がん研有明病院・内視鏡診療部)
共同演者 五十嵐 正広(がん研有明病院・内視鏡診療部), 上野 雅資(がん研有明病院・消化器外科)
抄録 【目的】大腸癌治療ガイドラインにより大腸SM癌を内視鏡治療後の基準が設けられ,経過観察をする症例が増加してきている.しかし,不幸にも再発した症例も経験することがあり,今回,大腸SM癌内視鏡治療後の再発形式と予後について検討を行った.【方法】1985年から2012年までの期間に当院にて経験した大腸SM癌内視鏡治療後の経過観察例208例のうち再発症例19例を対象とし,内視鏡治療時の年齢,病変の部位,大きさ,再発までの期間,発見動機,再発形式,治療方針と予後について検討を行った.【成績】年齢:55.4歳(±12.6),男性/女性:9/10,病変部位R/S/D/A: 9/8/1/1,大きさ:14.7mm(±6.8),再発まで44.2ヶ月(±29.7).発見動機: CEAやCA19-9上昇6例,画像診断8例,痛みなど自覚症状4例.再発形式は,14例は粘膜下腫瘍様の局所再発を伴い,5例は局所再発のないN4リンパ節や肝転移再発であった.治療として9例根治手術を行い,10例は化学療法(5例は局所再発のないN4リンパ節や肝転移再発).再発後の予後への影響をCOXの比例ハザードモデルにて解析したところ,ハザード比は初診時年齢1.11(P<0.05),手術施行0.11(P<0.05)であった.【結論】大腸SM癌内視鏡治療後は,5年以上の適正なサーベイランスにて早期に再発を発見,根治手術を行うことが重要である.しかし,遠隔転移のみの再発も存在し,完全に救命することは困難である.
索引用語 大腸癌, 再発