セッション情報 シンポジウム22(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

消化器癌内視鏡治療・鏡視下手術後の再発病態と対策

タイトル 内S22-7:

胃癌ESD症例における多発癌の特徴

演者 三村 卓也(兵庫県立がんセンター・消化器内科)
共同演者 山本 佳宣(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 西崎 朗(兵庫県立がんセンター・消化器内科)
抄録 【目的】早期胃癌に対してESDを行った症例における多発癌の発生状況について検討する.【方法】2005年4月から2012年9月までに当院で初回ESDを行った早期胃癌症例484例を対象とした.初回ESD後は原則として1年目は3ヶ月ごと,2年目は6ヶ月ごと,以後1年ごとに内視鏡検査を行った.前回ESDから1年未満に診断されたものを同時多発,1年以降を異時多発とした.同時多発のうち前回ESD時に診断されていたものを併存,診断されていなかったものを見落としとした.【成績】484例のうち69例(14%)85病変が多発癌として認められた.全例初回治療としてESDが施行され,非治癒切除6例で治癒切除率93%であった.85例中同時多発58病変,異時多発27病変.同時多発のうち,併存が45病変,見落とし13病変で見落とし率は22%であった.UMLのうち同じ部位に多発したのは46例(67%)であった.見落とし13病変の特徴を以下に示す.肉眼型I/IIa/IIc:1/1/11,U/M/L:2/8/3,Ant/Post/Less/Gre:3/1/4/5,組織型は高分化型腺癌12,印環細胞癌1で病変サイズ中央値は12mmで12病変が20mm以下であった.見落としのうちUMLの同じ部位に多発したのは4例(31%)であった.【結論】早期胃癌に対する初回ESD後に14%に多発が認められた.多発のうち67%は前回治療と同じ領域に発生していた.見落としはサイズの小さい分化型の陥凹性病変が多かった.見落とし病変はM領域に多く前回の病変と違う領域に発生するものが多かった.
索引用語 ESD, 多発