セッション情報 |
パネルディスカッション1(消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会合同)
C型肝炎を背景とした肝細胞癌-予防から再発治療まで
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タイトル |
肝PD1-1:SVR肝癌のリスク予測におけるShearWave Elastographyの有用性
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演者 |
今井 康晴(東京医大・消化器内科) |
共同演者 |
平良 淳一(東京医大・消化器内科), 森安 史典(東京医大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】C型肝炎に対する抗ウイルス療法はInterferon,Ribavirinの他にDirect-acting Antiviral Agentsの使用が可能となり,今後,sustained virological response(SVR)症例が増加してくるものと思われる.しかし,SVRに至っても肝癌を発症する症例を認め,高齢,AFP高値,血小板低下,高度肝線維化がそのリスクとして挙げられている.一方,ShearWave Elastography(SWE)により超音波画像上にリアルタイムに剪断波速度が可視化され,適正に測定が行われている部位を選択して実測することが可能となった.今回,我々はSWEがSVR肝癌のリスク予測の上で有用であるかについて検討した.【方法】対象は,SuperSonic Imagine社製AixplorerによりSWEを測定したSVR症例 20例.肝癌合併 4例(肝癌群)と非合併 16例(非癌群)についてSWEの結果を含めた臨床データを比較した.【成績】肝癌群,非癌群において,年齢,性,飲酒量,SVR期間,SWE測定値,血小板,AST,ALT,APRI,Fib-4,総ビリルビン,総蛋白,アルブミン,γグロブリン,AFP,DPCのうち,SWE測定値(9.3±2.1kPa vs. 5.2±0.8,p = 0.0305)とFib-4(3.48±1.21 vs. 2.00±1.20,p = 0.041)に有意差を認めた.SWE測定値とFib-4とは弱く相関した(r = 0.526,p = 0.017).肝癌合併の有無についてのROC曲線下面積はSWE測定値が0.977,Fib-4が0.742で,有意差はないもののSWE測定値がやや大きかった(p = 0.057).SWE測定値が6kPa未満の症例では感度 100%,特異度 81.3%で肝癌の合併はなかった.【結論】SWEはSVR肝癌のリスク予測の上で有用であり,6kPa以上の症例は肝癌ハイリスクに準じて経過観察すべきと考えられた. |
索引用語 |
SVR, Elastography |