セッション情報 |
パネルディスカッション1(消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会合同)
C型肝炎を背景とした肝細胞癌-予防から再発治療まで
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タイトル |
肝PD1-3:アミノインデックス技術によるC型肝硬変由来肝細胞癌バイオマーカーの検討
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演者 |
白石 光一(東海大・消化器内科) |
共同演者 |
小野 信和(味の素(株)イノベーション研究所), 峯 徹哉(東海大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】AFPとPIVKA IIの組み合わせは肝細胞癌診断において7割程度診断に有用であるが,陰性例では早期の診断は困難である.そこで,複数のアミノ酸濃度を変数として目的にあった多変量式を選択する「アミノインデックス技術」を用いて,肝細胞癌の診断可能性について検討した.【方法】C型肝硬変29名およびC型肝硬変肝細胞癌24名,健康人コントロールは健診センター人間ドックを受診した受診者のうち,マッチングさせた健康人238名を対象とした.早朝空腹時に採血し血漿アミノ酸濃度を測定し,ビリルビン,ALB,AST,ALTなどの血液パラメーターを測定した.肝硬変,肝癌に関しては加えて腫瘍マーカーAFP, PIVKA II,の測定,およびChild分類,腫瘍ステージの調査を行った.【成績】肝硬変,肝癌では健康人と比較してFischer比の低下が見られたが(p<0.001),肝硬変と肝癌間には差がなかった.肝硬変と肝癌の間ではAFP(p<0.05)で差が見られたが,その他の肝機能パラメーターでは差がなかった.単一のアミノ酸では肝癌で肝硬変に比べThr,Argの低下が見られた(p<0.05).血漿アミノ酸濃度を用いて,肝疾患患者(肝硬変+肝癌)と健康人を判別するのに最適化した多変量式は,ROC AUCの値で肝硬変を0.996,肝癌を0.974で健康人と判別できたが,肝硬変と肝癌間は判別できなかった(ROC AUC=0.52).一方,肝硬変と肝癌の判別に最適化した多変量式は,肝硬変と肝癌をROC AUC=0.87で判別できた.得られた判別式はStage IまたはStage IIの早期でも判別することが可能で,AFP (ROC AUC=0.69)およびPIVKAII (ROC AUC=0.65)およびその組み合わせよりも高い判別能を示した.【結論】「アミノインデックス技術」で選択した肝臓がんバイオマーカーは,C型肝硬変からの肝癌発がんのモニタリングに有用である可能性が示唆された. |
索引用語 |
肝がんマーカー, アミノインデックス |