セッション情報 |
パネルディスカッション2(消化器病学会・肝臓学会合同)
B型肝炎治療の最前線
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タイトル |
肝PD2-3:Sequential療法を用いたB型慢性肝炎におけるdrug freeとHBs抗原量の検討
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演者 |
川中 美和(川崎医大・2総合内科) |
共同演者 |
河本 博文(川崎医大・2総合内科), 山田 剛太郎(川崎医大・2総合内科) |
抄録 |
【目的】B型慢性肝炎の治療目標はHBs抗原の消失およびHBV-DNAの低下,ALTの低下による肝発癌の抑制である.今回我々はSequential療法を行った症例のHBs抗原の低下,drug freeおよび若年者に対する治療効果について検討を行った.【方法】対象は当院で2000年から2012年2月までSequential療法を行った28例(全例HBs抗原>2000COI) 1)IFNを先行し核酸アナログ(NA)投与したSequential療法の効果をみる目的で,IFN先行しNAを投与したIFN先行+NA 群11例のHBs抗原低下率を,NA単独投与群135例,IFN歴のあるNA群28例と比較した.平均年齢はそれぞれ中央値40.6,52,48.5歳であり,観察期間は中央値6.2,5.3,5.6年であった.2)drug freeを目指したSequential療法 A)若年者(平均年齢28.5歳)に対するSequential療法の効果をみる目的でNA短期投与(0.5-1年)+IFN48Wを施行した7症例のdrug freeの成績を検討した.B)NA長期投与症例のSequential療法の成績をみる目的でNA長期投与(平均中央値7年)にPegIFN48Wを行った症例は10例のdrug freeの成績を検討した.【成績】1)HBs抗原<2000に低下した症例はNA単独群13/135(9.6%),IFN歴のあるNA群5/278(18.5%),IFN先行+NA群4/11(36.4%)とNA単独群にくらべ有意にIFN先行+NA群でHBs抗原の低下を認め(P<0.05),IFN先行+NA群のうち2例がHBs抗原の陰性化しNAを中止できた.2)A)Sequential療法を行った7例中投与終了した5例のうち,4例はdrug freeとなり1例が再燃しNAを再投与した.drug freeの4例は5.4(1-10.7)年の経過でALT18.5(9-32)IU/l,HBV-DNA4.2(3.2-5.4)log/mlと良好である.B)NA長期の Sequential療法を開始した10例中,4例でHBs抗原が<2000に低下し,うち1例がHBs抗原の陰性化し中止できた.現在も9例はIFN継続中である.【結論】IFNを先行しNAを併用したSequential療法は単独NA群,IFN歴のあるNA群に比べ,HBs抗原の低下,消失率が高かった.また,若年B型慢性肝炎においてはNA短期投与にIFNを行うSequential療法が有効である可能性がある. |
索引用語 |
HBs抗原, Sequential 療法 |