セッション情報 パネルディスカッション2(消化器病学会・肝臓学会合同)

B型肝炎治療の最前線

タイトル 肝PD2-4追:

B型慢性肝炎の核酸アナログ治療中止おけるシーケンシャル療法の検討

演者 松本 晶博(信州大・消化器内科)
共同演者 吉澤 要(信州大・消化器内科DELIMITER国立信州上田医療センター), 田中 榮司(信州大・消化器内科)
抄録 【目的】B型慢性肝炎の核酸アナログ(NA)治療中止時シーケンシャル療法の効果予測因子を検討した.【方法】対象は全国10施設にてNA中止時にIFNを使用したB型慢性肝炎67例.NA開始時年齢34歳(21~57歳),男52:女15,遺伝子型 B:C:ND=4:47:16,NA投与期間8ヶ月(4~121ヶ月),LMV 51:ETV 16.NA中止時にシーケンシャルにIFN投与を開始し,基本的に6ヶ月(3~12ヶ月)投与した.NA中止後12ヶ月の時点でHBeAg (-),HBV DNA < 4.0 LC/ml,ALT < 30 IU/Lの全てを満たす症例を著効と定義した.分布データは中央値(範囲)で示した.【結果】NA中止後の再治療開始または最終観察時までの期間は29ヶ月(2.9~107ヶ月).NA開始時にHBeAg (-)であった20例は中止時も全例(-)であった.一方,HBeAg (+)であった47例中17例はNA中止時に(-)となった.NA中止時HBeAg (-)37例の著効率は54%(20/37)であり,HBeAg (+)30例の17%(5/30)に比較し有意に高率であった(P< 0.001).NA中止時HBeAg (-)の37例について,著効群(n=20)と非著効群(n=37)で背景を比較すると,性別,genotypeに差は無く,NA開始時および中止時の年齢,HBeAg,ALT値,HBV DNA量にも差は無かった.有意差がみられたのは,NA中止時のALT値が著効群(25,12~82 IU/L)で非著効群(34,21~105 IU/L)に比し有意に低値であり(P=0.040),NA中止時のHBcrAg量が著効群(3.3,<3.0~5.3 LU/ml)で非著効群(5.0,<3.0~5.8 LU/ml)に比較し有意に低値であった(P=0.019).多変量解析では,NA中止時にHBcrAg量が4.4 LU/ml未満であることが著効を予測する有意な因子として抽出された(OR 8.0,95%C.I. 1.2~52.2,P=0.03) .【考察】NA中止時のシーケンシャル治療では,中止時のHBeAg陰性が重要な因子である.さらに,HBeAg陰性例における著効の予測には中止時のHBcrAg量が有意な因子であった.
索引用語 シーケンシャル療法, HBコア関連抗原