セッション情報 |
パネルディスカッション2(消化器病学会・肝臓学会合同)
B型肝炎治療の最前線
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タイトル |
肝PD2-5追:B型慢性肝炎に対するPEG-IFNの早期抗ウイルス効果:Sequential療法も含めて
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演者 |
榎本 大(大阪市立大大学院・肝胆膵病態内科学) |
共同演者 |
田守 昭博(大阪市立大大学院・肝胆膵病態内科学), 河田 則文(大阪市立大大学院・肝胆膵病態内科学) |
抄録 |
【背景】B型慢性肝炎に対してPEG-IFNα2aの48週投与が承認された.【方法】対象は当院でIFN 治療を行ったB型慢性肝炎28例(男性20例,36±6歳,遺伝子型C 26例):PM群) PEG-IFN単独投与9例(HBeAg+5例),PS群)エンテカビル(ETV) 36週以上投与後,PEG-IFNへのSequential療法9例(HBeAg+8例),NS群) ETV 36週以上投与後,天然型IFNへのSequential 療法10例(HBeAg+10例)である.【成績】1) PM群:PEG-IFN開始時のHBsAg 3.62 Log IUで,変化率(Log)は12週-0.32 (P=0.70),24週-0.32 (P=0.11)であった.開始時HBeAg陽性は5例で,陰性化率は12週0%,24週0%であった.開始時HBV DNAは7.22 Log cpsで,変化率(Log)は12週-3.40 (P<0.0001),24週-3.64 (P=0.0001)であった.2) PS群:PEG-IFN開始時のHBsAg 3.47 Log IUで,低下率(Log)は12週-0.05 (P=0.43),24週-0.29 (P=0.021)であった.開始時HBeAg陽性は7例で,陰性化率は12週29%,24週67%であった.開始時HBV DNAは<2.1 Log cpsで,変化率(Log)は12週+0.15 (P=0.30),24週+0.81 (P=0.13)であった.3) NS群:天然型IFN開始時のHBsAg 3.57 Log IUで,変化率(Log)は12週+0.03 (P=0.39),24週-0.01 (P=0.39)であった.開始時HBeAg陽性は 8例で,陰性化率は12週0%,24週0%であった.開始時HBV DNAは<2.6 Log cpsで,変化率(Log)は12週+0.33 (P=0.16),24週+1.13 (P=0.020)であった.4) PS群とNS群の比較:Sequential療法による24週のHBsAg抑制効果は,天然型IFNよりPEG-IFNで良好であった(P=0.0047).12週,24週のHBV DNA抑制効果も,PEG-IFNで良好であったが有意差はなかった(P=0.59,0.38).【結論】1)PEG-IFN単独療法早期のHBsAgの低下は有意でなかったが,HBV DNAの低下は有意であった.2) ETV/PEG-IFN Sequential 療法では24週にHBsAgの有意な低下を認め,その変化は天然型IFNを用いた場合に比べて有意であった.天然型IFN 投与中にHBeAgが陰性化した例はなかったが,PEG-IFN投与中には24週以内に過半数でHBeAg陰性化が観られた. |
索引用語 |
B型肝炎, PEG-IFN |