セッション情報 |
パネルディスカッション3(消化吸収学会・消化器病学会合同)
機能性食品や補助食品の消化器疾患における役割
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タイトル |
吸PD3-1:茶葉ポリフェノールによるFunctional Dyspepsiaの治療効果と安全性
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演者 |
菊池 浩史(日本大・消化器肝臓内科) |
共同演者 |
松井 輝明(日本大・消化器肝臓内科), 森山 光彦(日本大・消化器肝臓内科) |
抄録 |
【目的】近年食品の機能を生体の防御,疾患の予防,治癒,老化防止等につき再評価する働きが提唱されている. Functional Dyspepsia(FD)は,我が国における高齢化,ストレス社会のため近年増加傾向が認められる,FDの原因,症状は様々であり,未だ確立された治療方針がない.我々は,茶葉ポリフェノ-ル(カテキン)の持つ消化器生理機能作用がFDに及ぼす効果を検討すると共に安全性を検討し興味ある結果を得たので報告する.【方法】:1)カテキンの有効性を確認するためFDのROME診断基準を満たす38症例で二重盲検法を採用しプラセボ群18症例カテキン群20症例で飲料1日2本8週間摂取し同様にGSRS日本語版アンケート簡略版にて,自覚症状につき比較検討した.2)カテキンの安全性を確認するため,4週間毎に採血とアンケートを施行し有害事象の有無を検討した.何れも院内倫理委員会の承認を得て検討された.【成績】カテキン投与群はプラセボ群に比較してFDの心窩部痛,空腹痛,悪心,膨満感が有意に改善されカテキン飲料の有害事象は,認めなかった.【結論】茶葉ポリフェノール(カテキン)の持つ,酸分泌抑制作用,NO刺激作用,PG分泌促進作用,抗ストレス作用等にて胃酸,消化管の運動を調整し,機能性胃腸症の症状改善に有効であることが推察された.カテキンによる有害事象はスタチン製剤内服8症例を含め認めなかった. |
索引用語 |
Functional Dyspepsia(FD), 茶葉ポリフェノ-ル(カテキン) |