セッション情報 |
パネルディスカッション5(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
非侵襲的肝病態評価法の適応と限界
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タイトル |
肝PD5-4:Dual energy CTによる肝脂肪変性の非侵襲的な定量評価
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演者 |
澤井 良之(市立池田病院・消化器内科) |
共同演者 |
今井 康陽(市立池田病院・消化器内科), 村上 卓道(近畿大・放射線診断学) |
抄録 |
【目的】近年非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD),特に非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は進行性であることから我が国でも注目されているが,NAFLDの診断は組織学的に行われているのが現状である.今回,Dual energy CT撮影データからmulti-material decomposition (MMD) 法で得られた物質弁別画像によって肝実質の脂肪沈着の程度を推定し,その定量性を検討したので報告する.【方法および対象】対象はNAFLD患者19例である.Dual energy CTは,管球の高速電圧切替,およびGemstoneを用いた高感度detectorを用いるGemstone Spectral Imaging (GSI)が可能なDiscovery CT 750 HD(GE Healthcare)を用いた.MMD法にて得られた物質弁別画像から肝実質の脂肪量を計測し,肝組織HE染色KleinerによるNASH activity score(NAS)の脂肪化程度および肝脾CT値比と比較検討した.本研究はGE Healthcareとの共同研究である.【結果】NAS 脂肪化程度0,1,2,3症例の肝実質の脂肪量の中央値はそれぞれ1.61%(1.34-1.88; n=2),10.7%(4.83-17.8;n=10),14.3%(10.7-17.8; n=6),8.52%(n=1)であり,NAS脂肪化程度の増悪に伴い,肝実質の脂肪量は高値となった(p=0.024:Jonckheere-Terpstra検定).また肝実質の脂肪量と肝脾CT値と間には有意な負の相関関係が認められた(p<0.00002, r=-0.823).【結論】Dual energy CTのデータからMMD法を用いて得た脂肪抽出画像は,肝脂肪変性の非侵襲的な定量評価に有用と考えられた. |
索引用語 |
CT, 脂肪 |