セッション情報 |
パネルディスカッション5(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
非侵襲的肝病態評価法の適応と限界
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タイトル |
肝PD5-7:慢性肝疾患におけるCAP(Controlled Attenuation Parameter)を用いた非侵襲的肝脂肪評価の有用性
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演者 |
福原 崇之(広島大病院・消化器・代謝内科) |
共同演者 |
相方 浩(広島大病院・消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大病院・消化器・代謝内科) |
抄録 |
【目的】肝組織学的検査のゴールドスタンダードは肝生検であるが,侵襲性も高い.近年肝移植の普及に伴い,ドナー肝の脂肪化をできるだけ非侵襲的に評価する必要性も生じている.本検討では,慢性肝疾患とドナー肝におけるControlled Attenuation Parameter (CAP)の非侵襲的肝脂肪定量化の有用性を検討した.【方法】2012年4月から12月までに慢性肝疾患(ドナー肝も含む)に対して肝生検とCAPの測定を行い,同時に血液検査と画像検査を施行した患者155例(B/C/NBNC/others 17/58/40/40).年齢は55歳(24-91歳),男女比は3:2.Fibroscan 502(Mプローブ)を使用しCAPとTransient Elastography (TE)を測定し,組織所見(Steatosis gradeをS0:5%未満,S1:5-33%,S2:34-66%,S3:67%以上),CTによるL/S比と血液所見を比較検討した.【成績】CAP値はmedian(range)dB/m; S0:202.1(100-298),S1:279.5(179-400),S2:297.7 (162-367),S3:323.0(290-345)であった.S0 vs. S1-3のcut off値は232.5dB/mでAUROC=0.878であり,脂肪肝有りに寄与する因子として,単変量解析ではBMI,ChE,CAP値,L/S比(p<0.0001),ALT(p=0.0001),TG(p=0.002),HbA1c(p=0.002),ALP (p=0.007),WBC (p=0.020),Plt (p=0.020), γ-GTP (p=0.028),FBS (p=0.036),T-cho (p=0.043)が抽出され,多変量解析ではCAP値≧232.5 dB/m(OR: 27.656,p=0.0002) とL/S比<1.1(OR: 10.881,p=0.004)が抽出された.【結論】CAP測定により,脂肪肝の有無の鑑別が非侵襲的に可能となり慢性肝疾患だけでなく,ドナー肝のNAFLD診断にも有用であることが示唆された. |
索引用語 |
CAP, 脂肪肝 |