セッション情報 パネルディスカッション5(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

非侵襲的肝病態評価法の適応と限界

タイトル 肝PD5-10:

Real-time tissue Elastographyおよび血清線維化マーカーによる非侵襲的肝線維化診断の検討

演者 玉城 信治(武蔵野赤十字病院・消化器科)
共同演者 土谷 薫(武蔵野赤十字病院・消化器科), 泉 並木(武蔵野赤十字病院・消化器科)
抄録 【目的】Real-time Tissue Elastography(RTE)を用いて生体内の組織の歪みから,相対的な硬さを表示することができ,これを肝臓から得られたRTE像を数値化したLF Indexは肝線維化と相関することが知られている.また様々な血清線維化マーカーの有用性が報告されている.今回,RTEおよび血清線維化マーカーによる非侵襲的肝線維化診断能について検討した.【方法】当院にて2011年11月から肝生検を施行したC型慢性肝炎患者130人をProspectiveに検討した.全例肝生検直前に測定したRTEおよびFIB-4,APRI,またこれらの組み合わせによる線維化診断能を検討した.【結果】対象130例の平均年齢58.4±11.3歳,男性/女性:53/77例,病理所見F1/2/3/4はそれぞれ54/39/24/13例であった.腹腔鏡下に生検した症例の腹腔鏡所見と病理所見の乖離はなく,サンプリングエラーの少ない集団と考えられた.RTEによるLF Index,FIB-4,APRIと病理所見を比較するといずれもF stageの増加に従い,上昇する有意な相関関係を認めた(p<0.001).F3-4予測におけるAUROCはLF Index:0.87,FIB-4:0.81,APRI:0.78であった.またLF IndexはF1予測にも有用であり,AUROCは0.81であった.F3-4予測において,LF index:3.14をカットオフとすると,PPVは3.14以上:58%,3.14未満:5%であった.組み合わせによる診断能を検討すると,血小板の組み合わせがもっとも有用であり,LF indexと血小板の組み合わせによってF3-4のPPVが0%(n=50)から75%(n=40)の4群に患者を分類することが可能であった.また同様にF1の予測においてLF index単独では,PPVは3.14以上:13%,3.14未満:67%であったが,APRIの組み合わせによって,F1のPPVが7%(n=53)から87%(n=39)の4群に分類することが可能であった.【結語】RTEおよび血清線維化マーカーによって非侵襲的肝線維化診断が可能であった.これらを組み合わせることによってより診断精度が向上した.
索引用語 肝線維化, RTE