セッション情報 |
パネルディスカッション7(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
IPMN新コンセンサス診療ガイドラインの検証
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タイトル |
内PD7-2:IPMN新ガイドラインの検証―分枝型IPMN切除例からみた良悪性診断と手術適応
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演者 |
小山内 学(手稲渓仁会病院・消化器病センター) |
共同演者 |
真口 宏介(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 高橋 邦幸(手稲渓仁会病院・消化器病センター) |
抄録 |
[目的]IPMN新ガイドライン(新GL)では,悪性の定義はWHO分類に従い,上皮内癌はhigh-grade(H) dysplasiaに分類し浸潤癌のみ悪性としている.また,分枝型(BD)をhigh-risk stigmata(HRS)とworrisome features(WF)にわけ,手術適応の絞り込みがされている.今回,BDIPMN切除例を新GLを用い良悪性診断と手術適応を再検討した.[対象] 対象は2012年12月までに当センターで切除・剖検を施行したBDIPMN85例.男女比54:31,平均年齢65.1歳(43~86歳).主病変部は頭部50,体部27,尾部8.検討項目は,1.新旧病理診断と悪性率,2. HRS陽性例と病理診断,3. WF陽性例と病理診断 .尚2,3の検討はMDCT導入後の60例とし,HRSの造影される充実部は造影される壁在結節とした.[結果] 1.旧病理は,過形成6,腺腫34,非浸潤癌35,微小浸潤癌6,浸潤癌4,新GLでは,low-intermediate(L) dysplasia 30,H dysplasia 45,invasive(inv) IPMC 10例.悪性率は,旧病理では53%(45/85),新GLは12%(10/85)(p<0.001). 2. 新GLでのHRS陽性は35例(58%)で,inv IPMC 70%(7/10),H dysplasia 74%(23/31),L dysplasia 26%(5/19).HRS陰性inv IPMNは,MDCTで造影されない壁在結節2,壁在結節を膵実質と誤認1.HRS陽性L dysplasiaは,MDCTで壁在結節有3,主膵管径10mm以上2,であった.3. HRS陰性の25例中WFは17例(68%)に認め,うちEUS,ERPで悪性を疑う所見は8例(inv IPMC 2,H dysplasia 4,L dysplasia 2)であった.HRS,WFでも悪性所見陰性のinv IPMCは1例(微小浸潤癌)で,悪性所見陽性L dysplasia 2例はEUSによる有壁在結節例であった.最終的に,HRSもしくはWF悪性疑いで手術適応となったのはinv IPMC 90%(9/10),H dysplasia 87%(27/31),L dysplasia 37%(7/19). [結論] 新GLでは,悪性率は低下するが,HRSもしくはWF悪性疑いでinv IPMCとH dysplasiaの大部分は手術適応に合致した.但し,L dysplasiaの37%が切除適応となり,手術適応とすべき壁在結節の大きさ・高さを決定していく必要がある. |
索引用語 |
IPMN, ガイドライン |