セッション情報 パネルディスカッション8(肝臓学会・消化器病学会合同)

高齢者・肝機能低下例に対するC型肝炎治療の適応と限界

タイトル 肝PD8-9:

高齢者C型慢性肝炎に対するPegIFN・Ribavirin・Telaprevir3剤併用療法の治療効果

演者 本多 隆(名古屋大大学院・消化器内科学)
共同演者 片野 義明(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】C型慢性肝炎患者の高齢者ではPegIFNとリバビリン併用療法の効果は低下するが,高齢者における発癌率は高く,このような症例において発癌を抑制することは重要である.発癌のリスクの高いこのような症例においてSVR率を向上させることが必要である.そこで高齢者に対するPegIFN・Ribavirin・Telaprevir 3剤併用療法の効果及び副作用について検討した.【対象,方法】当院および関連施設において3剤併用療法を施行したC型慢性肝炎209例中,開始後4週のウイルスの陰性化(RVR)判定できた193例を検討した.高齢者は男性25例,女性20例,Telaprevir1500mg群は21例,2250mg群は24例であった.【成績】RVR率は高齢者68.9 % (31/45),非高齢者74.3% (110/148)で有意な差は認められなかった.RVR率は1500mg群76.2%,2250mg群で62.5%であり有意な差は認められなかった. 高齢者において終了後4週のウイルス陰性化(SVR4)の判定できた症例の治療効果は87.5% (14/16)であった.Telaprevirを中止した症例ではグレード3の皮疹2例,腎機能悪化が4例みられた.全体においてSVR4に関する因子ではリバビリン投与量が関与していた(P=0.02).【結論】高齢者で重篤な皮疹や腎機能障害などの副作用がみられた.完遂例でのウイルスの陰性化率は高く,副作用に十分注意し投与量を調節することで中止を回避することがSVR率を向上するのに重要である.
索引用語 C型慢性肝炎, 高齢者